スマートディオAF56はホンダが誇る軽快な4ストスクーターですが、ノーマル状態では最高速にやや物足りなさを感じる人も多いでしょう。ボアアップに頼らず、手軽かつ効果的に最高速を伸ばしたい人に向けて、本記事では現実的なチューニング方法を解説します。
ウエイトローラー交換で駆動特性を最適化
ウエイトローラー(WR)はCVT駆動系のキモとも言えるパーツで、重さによって変速タイミングが変わります。最高速を狙うなら、少し重めのWR(+1g程度)に交換することでハイギアに到達しやすくなります。
例えば、純正6.5g×6個なら、7.0g×6個へ変更すると中速以降の伸びが改善されるケースがあります。ただし加速が鈍くなる可能性があるため、好みに応じて微調整が必要です。
プーリー交換で変速域の拡張を狙う
社外プーリー(例:キタコ・デイトナ製)を導入することで変速域の最大値が広がり、より高い回転数での変速が可能になります。これにより、ノーマルよりも明らかに伸びるフィーリングが得られます。
ただし、取り付けに際してベルトとの干渉や、WRセッティングの見直しが必要になるため、DIY作業には整備知識が求められます。
ハイスピードベルトへの交換で回転域を有効活用
純正よりも幅広の「ハイスピードベルト」を使うことで、プーリーの外周までしっかり使えるようになります。これにより変速時の回転伝達効率が向上し、最高速が伸びる傾向があります。
ベルトは消耗品なので、距離が出ている個体であれば交換ついでにハイスピード化するのもアリです。
エアクリーナーとマフラーの見直し
吸排気の効率を改善することで、エンジンの回り方が軽くなり、実質的な出力向上が見込めます。例えば。
- エアクリーナー:純正形状の高効率フィルター(デイトナ製など)
- マフラー:政府認証タイプの社外マフラー
これらを組み合わせることで、全体のバランスを崩さずにトルク感と最高速を改善することができます。ただし、燃調の狂いに注意が必要なため、必要に応じてインジェクションコントローラー(FI-CON)などの導入も検討しましょう。
リミッター解除でスピードの壁を突破
AF56はPGM-FI(フューエルインジェクション)を採用しており、スピードリミッターが存在します。市販のリミッターカットユニット(例:キタコ・ハイパーCDI)を導入することで、純正制御によるスピード制限を解除できます。
ただし、これを行う際は法律や安全面に十分配慮し、公道ではなくサーキットやクローズドコースでの使用を前提にしましょう。
まとめ:安全性を保ちながら最高速を狙う工夫
ボアアップを避けつつ、スマートディオAF56の最高速を伸ばす方法は多岐にわたります。中でも、ウエイトローラーやプーリー、ベルトの見直しといった「駆動系の最適化」は効果が高く、初心者にも挑戦しやすい手段です。
ただし、どのチューニングでも必ず副作用(加速低下、燃費悪化など)がありますので、目的に応じてバランス良くセッティングしましょう。違法改造にならない範囲で、安全・快適なライディングを楽しんでください。
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