静電気除去パッドは飾りではない!セルフ給油での火災リスクと実際の事故例を解説

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セルフ式ガソリンスタンドに設置されている「静電気除去パッド」。給油前に必ずタッチするよう指示されていますが、実際にこれに触れないことで火災が発生することはあるのでしょうか?この記事では、静電気が引き起こすガソリン火災のリスクや、実際に起こった事例を交えてその重要性を解説します。

静電気除去パッドの役割とは?

静電気除去パッドは、人体に蓄積した静電気を除去することで、火花による着火を防ぐ役割を果たしています。特に冬場や乾燥した季節では、衣服のこすれなどで数千ボルトもの静電気が人体に帯電しており、その放電が引火の原因となる可能性があります。

ガソリンは揮発性が非常に高く、給油口付近には見えないガソリン蒸気が漂っています。このガスに静電気の火花が触れると、瞬時に引火することがあります。そのため、給油前に確実に静電気を放電することが推奨されているのです。

実際に起きたセルフスタンドでの火災事例

過去には、静電気が原因とされる火災事故が国内外で複数発生しています。たとえば、アメリカのNational Fire Protection Association(NFPA)は、静電気が原因と疑われる給油中の火災について多数の報告を挙げており、以下のようなケースが報告されています。

  • 冬場に女性がナイロンのコートを着たまま車外に出て静電気を帯電。給油ノズルに触れた際に火花が発生し、ガソリン蒸気に引火。
  • 携帯電話を操作しながら給油中に、衣服の摩擦により蓄積した静電気が原因で火災に至った。

日本国内でも、2005年にセルフスタンドでの静電気火災が発生し、消防庁が注意喚起を行った例があります。幸いにも人的被害は出ませんでしたが、車両の一部が燃えるという深刻な事態となりました。

なぜ静電気除去パッドが「飾り」と思われるのか

静電気は目に見えず、触れても明確な感触がないことから、「触れても意味があるのか?」「ただの形式的な設備では?」と感じる人も少なくありません。しかし、これは安全工学的に非常に重要な装置であり、国土交通省や経済産業省もセルフスタンドにおける利用を義務化しています。

また、近年では給油機に静電気除去センサーが内蔵されており、触れていないと給油が開始できないシステムも普及しています。これは「触れなければ危険である」という裏返しでもあります。

安全に給油するための注意点

静電気除去パッドに触れる以外にも、以下のような点に注意することで火災リスクを減らすことができます。

  • 給油中は絶対に携帯電話を操作しない
  • 給油ノズルの先を地面や車体にこすらない
  • 給油中の車内への出入りを避ける(再度静電気を帯びる原因)
  • 冬場は特に注意し、ウール・ナイロンなど静電気が発生しやすい素材は避ける

まとめ:静電気対策は安全の第一歩

静電気除去パッドは決して「飾り」ではなく、命を守るための重要な安全装置です。実際に火災に至った事例も存在しており、そのリスクは決して無視できません。面倒だと感じず、給油前には必ず触れる習慣をつけましょう。小さな行動が、大きな事故を未然に防ぎます。

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