BMW R1150RSのようなボクサーエンジンを搭載するバイクでは、ユーザー車検の排ガス検査(CO検査)でつまずくケースがあります。特に車齢が高くなると排出ガス値が基準をオーバーすることも。本記事ではCO検査をクリアするための整備と対策ポイントを、実例を交えて解説します。
CO値が高い原因とは?
CO値(炭化水素一酸化炭素)は、燃焼が不完全な状態で高くなります。特にBMW R1150RSのような旧型インジェクションモデルでは、空燃比のバランスが崩れやすくなり、次のような原因が考えられます。
- O2センサーの劣化や故障
- プラグの不調・くすぶり
- エアフィルターの目詰まり
- アイドルバルブの汚れ
- 燃調の狂い(インジェクション or TPS設定のズレ)
O2センサーの重要性と交換時期
O2センサーは、排気中の酸素濃度を検知し、燃料噴射の補正に使われます。これが正常に作動していないと、リッチ(燃料濃いめ)な状態が続き、CO値が上昇します。
走行距離5万kmを超えると徐々に応答性が低下します。O2センサーの交換はCO検査対策として最も効果的です。
車検前にやっておくべき整備チェックリスト
- プラグ清掃または交換:カーボンが付着している場合は新品に交換。熱価も適正に。
- エアフィルター点検:汚れている場合は必ず交換。吸気制限は燃調を狂わせます。
- エンジン同調:特にアイドリング時の左右シリンダーのバランスを整える。
- インジェクターの洗浄:燃料の霧化が不完全だと不完全燃焼に。
- アイドルバルブと吸気系統の清掃:カーボン溜まりによるアイドル不調の解消。
走行前のテクニック:暖機と直前の高回転走行
検査前にエンジンをしっかり暖気し、触媒が十分に熱を持ってからラインに入ることが重要です。
また、検査前に一度中高速域でエンジンを高回転まで回し、ススを吹き飛ばすとCO値が改善することがあります。いわゆる「カーボン飛ばし」です。
実例:BMW R1150RSでCO6.4→2.1に改善したケース
実際にCO6.4で検査不合格だったR1150RSが、以下の整備で再検査合格に至った例があります。
- O2センサー交換(純正品→BOSCH互換品)
- エアフィルター交換(純正品)
- アイドルスクリュー清掃と調整
- プラグ新品(NGKイリジウム)に交換
- 検査直前に30分ほどの高回転走行
再検査ではCO値2.1と大幅に改善され、無事車検をパスしました。
まとめ:O2センサー+整備+走行前準備がカギ
BMW R1150RSでCO検査に通すには、単に部品交換だけでなく、総合的なエンジンコンディションの最適化が不可欠です。
O2センサーの手配が間に合わない場合でも、まずはできる範囲の整備を行い、検査前の準備を万全にして再チャレンジすることをおすすめします。
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