バイク選びの際に「ABS付きかどうか」は多くのライダーが悩むポイントのひとつです。とくに高校生や初心者ライダーにとって、安全性は何よりも優先すべき要素。今回はABS(アンチロック・ブレーキ・システム)の役割と、ABSなしのバイクでも安全に乗るための工夫について、実例を交えて詳しく解説します。
ABSとは?その仕組みと役割
ABS(Anti-lock Braking System)は、急ブレーキ時にタイヤがロックしないように制御し、転倒やスリップを防ぐ安全装備です。特に濡れた路面や砂利道、坂道など滑りやすい条件下で、その効果は絶大です。
自動車には義務化されているABSですが、バイクでは排気量や販売時期によって装備の有無が異なります。2018年10月以降に新しく販売された251cc以上のバイクにはABSが義務付けられています。
ABS非搭載車でも安全に乗ることはできるのか?
結論から言えば、ABSが付いていないバイクでも安全に乗ることは可能です。ただし、ブレーキング技術や危険予測能力、天候を考慮した運転が必要不可欠です。たとえば、早めの減速・滑りやすい路面の避け方・制動距離の確保など、ライダー自身のスキルが求められます。
とはいえ、万が一の急ブレーキ時にABSがあれば転倒のリスクを大幅に下げることができるため、初心者にとっては安心材料となります。
雨の日に乗らなければABSはいらない?
「雨の日は乗らない予定だからABSは不要」と考える方もいますが、実際には晴天でも道路上に砂や落ち葉がある、トンネル出口が濡れているなど、不意のスリップ要因が潜んでいます。
また、予報に反して突然雨が降ることもあるため、天候を完全にコントロールすることはできません。ABSはこうした予測不能な状況にも備えるための装備と考えるとよいでしょう。
ABSなしのバイクを選ぶべきケース
どうしても乗りたいバイクにABSが装備されていない場合は、他の安全対策で補うことが重要です。たとえば、タイヤの状態を常に点検し、定期的にブレーキの点検を行いましょう。また、安全装備としてプロテクター入りのジャケットやライディングブーツを着用することもおすすめです。
さらに、ライディングスクールや安全講習でブレーキングの練習を重ねることで、万が一の時にも落ち着いて対応できる力が身に付きます。
ABS付き中型バイクの選択肢と傾向
近年はABS搭載が標準化されつつあるため、2020年以降に発売された中型モデルの多くにはABSが付いています。以下はABS付きの人気中型バイクの一例です。
- YAMAHA YZF-R3(ABS標準)
- HONDA CBR500R(ABS標準)
- Kawasaki Ninja400(ABS標準)
中古市場では2016年以降の車両にABS搭載モデルが多くなってきており、安全性を優先したい方にはおすすめです。
まとめ
ABSは「なくても運転できる」けれど「あると非常に安心できる」装備です。高校生や初心者ライダーこそ、安全性を最優先に考えたバイク選びをすべきです。もしお気に入りのバイクにABSがない場合でも、自分自身の運転技術や整備意識を高めていくことで、安全なバイクライフを実現できます。
最終的には、自分がどんな乗り方をしたいか、どの程度までリスクを許容できるかという点をよく考えて、納得のいくバイクを選びましょう。
コメント