ヤマハTW200などのマスターシリンダーに使われるサイドグラスは経年劣化により曇りや漏れが発生するため、交換が必要な場面があります。その際、「耐熱シリコーン ブレーキグリス」をOリングに塗布する作業が紹介されることがありますが、これは本当に必須なのでしょうか?この記事では、その必要性と代用品の可否、適切な作業方法を詳しく解説します。
サイドグラス交換にブレーキグリスが使用される理由
サイドグラスを固定するOリングにはグリスを塗布することが一般的に推奨されています。理由は以下の通りです。
- Oリングの組み付け時の滑りを良くする
- Oリングがねじれたり破損するのを防ぐ
- 長期的な密着性・耐劣化性の維持
特にサイドグラスのように油圧部分に接するパーツでは、確実なシール性が求められます。これによりフルード漏れの防止にもつながります。
「耐熱シリコーン ブレーキグリス」は必須か?
完全な意味で「必須」とまでは言えませんが、非常に強く推奨されるアイテムです。特に次の条件を満たすグリスであることが望ましいです。
- ゴムを侵さない(特にEPDMゴムに適合)
- 高温下でも安定している(耐熱性が高い)
- ブレーキフルード(DOT3/4など)と混在しても問題ない
これらの特性を兼ね備えているのが「耐熱シリコーン ブレーキグリス」で、バイク整備ではWAKO’S ブレーキプロテクター
やシリコングリース スプレータイプ
などが定番です。
代用品はある?ホームセンターのグリスで代用可能か
代用品として「シリコングリス(汎用品)」を使いたい方も多いですが、注意が必要です。一般的なシリコングリスはゴムに対して非対応のものもあるため、必ず「ゴム対応」「ブレーキパーツ使用可」と明記されているものを選びましょう。
NG例:リチウムグリス、モリブデングリス、潤滑油、潤滑スプレー(WD-40など)→これらはOリングを劣化させてしまうリスクが高く、漏れや破損を招きます。
実例:TW200のサイドグラス交換工程
実際の交換作業では以下の手順を踏むのが一般的です。
- 古いサイドグラスを慎重に取り外す(破損に注意)
- Oリングを新品に交換し、適量のブレーキグリスを薄く塗布
- 新しいサイドグラスを圧入し、シール面を丁寧に均す
- 必要に応じてフルードを補充し、エア抜きを実施
このときグリスが多すぎると逆に圧着不良の原因となるため、塗布は薄く、均等にが鉄則です。
おすすめのグリスと購入先
- WAKO’S ブレーキプロテクター:信頼性抜群でブレーキ系には定番。
- デイトナ シリコーングリス:バイク専用品でOリングにも適合。
- AZ シリコーングリース:コスパが良く、ゴム対応の表記あり。
これらはAmazonや楽天市場、バイク用品店で入手可能です。
まとめ
TW200などのマスターシリンダーサイドグラス交換において、Oリングに塗布するブレーキグリスは“必須ではないが強く推奨”されるアイテムです。耐熱性・ゴム対応・ブレーキパーツ適合の3条件を満たすシリコーングリスを選べば安心。代用品を使う場合も、用途に合致した製品であることを必ず確認しましょう。
適切なメンテナンスは安全に直結します。信頼できるパーツとグリスで、快適なバイクライフをお楽しみください。
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