ホンダ・ホーネット250(前期型)は、空冷ではなく水冷エンジンを搭載しており、冷却機構の要として水温計とラジエーターファンの働きが非常に重要です。今回は、水温計の指針がどの程度の温度を示しているのか、そしてファンが回らない場合の原因と対策について解説します。
ホーネット250の水温計の目盛りと温度の関係
ホーネット250の水温計は目盛り付きのアナログ式で、温度の絶対値は表示されていませんが、概ね以下のように読み取ることができます。
- 針が中央(真ん中)= 約90℃前後
- 中央より上(レッドゾーン手前2メモリ)= 約100〜110℃
- レッドゾーン突入= 約120℃以上(オーバーヒート危険領域)
したがって、針が半分以上かつレッドゾーン2メモリ手前の場合、水温はおよそ105〜110℃に達していると考えられます。
冷却ファンが回る温度と動作のタイミング
ホーネット250のラジエーターファンは、温度センサーによって自動で制御されています。通常、以下のような動作基準があります。
- ファン作動開始温度: 約102〜105℃
- ファン停止温度: 約95℃以下
つまり、針が中央より上に行ったタイミングでファンが回らない場合、センサーやリレー、配線に何らかの不具合がある可能性が高いです。
ファンが作動しない原因とその点検ポイント
ファンが回らないとオーバーヒートの原因になります。以下の点を順番に確認してみてください。
- ① ラジエーターファン自体の故障:ファンモーターの焼き付きや断線など
- ② 水温センサー(ファンスイッチ)の故障:作動温度に達しても電流が流れない
- ③ リレーの不良:信号は来ていてもファンに電気が行かない
- ④ 配線やカプラーの接触不良:経年劣化による腐食や断線
まずはエンジン始動後、しばらくアイドリングして、針が中央を超えたあたりでファンが回るか確認してみましょう。回らない場合、テスターを用いて電圧が来ているかチェックすることをおすすめします。
緊急対策と予防的な整備
もしファンが回らず水温が上がりすぎている場合は、すぐにエンジンを止めて冷やしてください。市街地走行や渋滞中はとくに注意が必要です。
また、定期的に以下の点をチェックすることで予防できます。
- ラジエーター液の量と劣化
- 冷却水路の詰まり(LLC交換を含む)
- 水温センサーの清掃と交換(目安:3〜5年ごと)
予算的には、ファンモーター交換は1〜1.5万円、水温センサーは3,000〜5,000円程度で交換可能です。
まとめ:水温とファン作動のチェックは安心走行のカギ
ホーネット250のような水冷バイクにおいて、水温計とファンの動作確認はとても重要です。針が半分より上を指す=100℃以上と理解し、ファンが作動しない場合は放置せず、必ず点検・整備を行いましょう。冷却機構を正常に保つことで、エンジンの寿命と安全性が大きく向上します。
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