近年、多くの車に標準装備されている電動ドアミラー。便利な反面、誤った扱い方や改造が思わぬトラブルを招くこともあります。本記事では、電動ドアミラーを手動で畳むことによる故障リスクや、手動ミラーから電動ミラーに交換した際の車検への影響など、ユーザーが抱きやすい疑問を解消します。
電動ドアミラーを手動で畳むとどうなる?
電動ドアミラーは電動モーターとギアによってミラーの開閉を制御しています。無理に手動で畳むと、この機構に大きな負荷がかかり、モーターや内部ギアが破損するおそれがあります。
実際に、車種によっては手動でミラーを動かすと「カチカチ」という異音がしたり、以降自動で開閉できなくなる事例も報告されています。特に寒冷地などで凍結時に手で畳もうとするケースでは、モーターへのダメージが大きくなる傾向があります。
一部の車種には手動折りたたみにも対応した設計がなされていることもありますが、基本的にはメーカーの取扱説明書を確認し、「手動で動かさないように」と記載されている場合は無理に触れない方が安全です。
電動ドアミラーに交換しても配線しないと機能しない?
手動ドアミラーの車に後付けで電動ドアミラーを装着した場合でも、モーターへの電源供給がなければ当然電動機能は動作しません。つまり、電源配線やスイッチ、場合によってはECUとの連携設定などが必要です。
電動ミラーに交換しただけでは見た目は変わりますが、電動としての機能は一切使えません。これは「電動機能付きのミラー」というよりは、単なる「外見が電動式に見えるミラー」にすぎません。
配線作業は車種ごとに異なり、電装系の知識が必要です。不安がある場合は整備士や電装専門のショップに相談するのが安心です。
配線せずに電動ミラーを取り付けた場合の車検への影響
結論から言うと、電動ドアミラーであるにも関わらず配線せずに電動機能が動作しない場合でも、基本的には車検には通ります。なぜなら、道路運送車両法においてドアミラーの開閉方式に関する規定はなく、「視認性が確保されているか」が検査の対象だからです。
たとえば、ドアミラーが適切な位置にあり、ミラー面に割れや曇りがなければ、開閉方式が手動・電動であるかは問われません。ただし、電動ミラーの開閉途中で固定されないなど、安全上の問題が見られる場合は不適合とされる可能性もあります。
また、ミラー格納が自動ドアロックと連動しているような車種では、その機能が使えないと誤作動を招くケースもあり得るため、改造には注意が必要です。
電動ドアミラーの故障や誤操作を防ぐためのポイント
電動ドアミラーの寿命を縮めないためには、まず基本的な操作ルールを守ることが大切です。特に、車内スイッチでの操作以外で無理に動かそうとしないことが最も重要です。
また、寒冷地ではミラーの氷を完全に溶かしてから操作する習慣をつけましょう。氷がミラーの稼働部分に付着した状態でモーターを作動させると、負荷により内部機構が破損することがあります。
さらに、電動ミラーの開閉に異常を感じた場合は早めに点検を受けることをおすすめします。初期の段階であれば、ギアの調整や部品交換のみで修理できる可能性があります。
まとめ:電動ミラーは正しい使い方と知識が大切
電動ドアミラーは非常に便利な装備ですが、正しい操作や取り扱いを知らないまま使うと故障や事故の原因にもなりかねません。手動で動かす行為は原則避け、交換の際も配線や車検への影響を十分考慮しましょう。
万が一故障や不具合が発生した場合は、専門業者やディーラーに相談し、安全性を最優先にした対応を心がけてください。カーライフを快適に過ごすためにも、電動ミラーに関する知識を身につけておくことは重要です。
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