マジェスティCのリアタイヤ交換後、ブレーキがスカスカになって効かなくなった――このようなトラブルは、整備後によく発生する現象の一つです。特にリアキャリパーを脱着した際には、エア噛みや組付けミスが起こりやすく、注意が必要です。本記事では、リアブレーキが効かなくなる主な原因とその対処方法を詳しく解説します。
リアブレーキがスカスカになる主な原因
ブレーキが効かない、またはレバーがスカスカになる原因は複数ありますが、特に以下の3つが代表的です。
- エア噛み(エア混入)
- キャリパーピストンの戻り不良
- ブレーキパッドのズレや不適切な組み付け
特に、キャリパー脱着時にホース内に空気が入ってしまうと、ブレーキフルードの圧力がうまく伝わらず、レバーがスカスカになります。
対処法① ブレーキのエア抜きを行う
最もよくある原因はエア噛みです。まずはリアブレーキのエア抜きを行いましょう。以下の手順で実施します。
- リアマスターシリンダーのリザーバータンクのキャップを外し、フルードを満たす
- キャリパーのブリーダーバルブに透明ホースを取り付け、受け容器へ
- ブレーキレバーを数回握って保持し、バルブを開けて空気を抜く
- 空気が出なくなるまで繰り返す
この作業でレバーにしっかりとした踏力が戻るようなら、原因はエア噛みだったと考えられます。
対処法② キャリパーの組付けを再確認
エア抜きをしても改善されない場合、キャリパーの取り付け状態に問題がある可能性があります。以下の点を再確認してください。
- パッドが正しい位置に装着されているか
- ピストンが固着していないか
- キャリパーが正しくボルトで固定されているか
また、パッドスプリングやシムが正しく入っていないと、ピストンの動作に支障をきたすこともあります。
対処法③ ブレーキフルードの状態を確認
フルードが古かったり、異物が混入していると、油圧の伝達が不安定になります。リアタイヤ交換と同時に、ブレーキフルードの交換もおすすめです。
フルードはDOT3またはDOT4が一般的ですが、取扱説明書で適合を確認しましょう。フルードの色が茶色や黒っぽい場合は、即交換が必要です。
それでも改善しないときの次のステップ
これらを実施しても改善しない場合は、以下の項目をチェックしてみてください。
- マスターシリンダーの故障
- キャリパー内部のシール不良
- バンジョーボルトの緩みやフルード漏れ
これらは分解整備や部品交換が必要になるため、自信がない場合はバイクショップに相談するのが安心です。
まとめ:落ち着いて原因を一つずつチェックしよう
リアブレーキのスカスカ現象は、整備後によく起こるトラブルの一つですが、焦らずにエア抜きと組付け確認を行えば多くの場合は解消できます。ブレーキは命に関わる重要なパートです。自信がない場合や不安が残る場合は、無理をせずプロに相談しましょう。
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