スマートフォンであらゆる手続きが可能な時代。そんな中、「運転免許の更新はなぜ今でもわざわざ行かなければいけないのか?」と疑問に感じる人は少なくありません。確かに、忙しい社会人にとって免許更新に時間を取られるのは負担です。この記事では、免許更新の仕組みや現状の課題、そして将来のオンライン化の可能性までを詳しく解説します。
現在の運転免許更新の流れ
日本の運転免許更新は、基本的に運転免許センターや警察署で行う必要があります。更新には以下のプロセスが含まれます。
- 更新申請書の記入・提出
- 視力などの適性検査
- 講習(一般・違反・優良など)
- 写真撮影・新しい免許証の交付
これらの手続きは、安全運転を維持するために必要とされているものですが、デジタル時代においては「本当にすべて対面で必要か?」という声が高まっています。
なぜオンライン化されないのか?
免許更新がオンライン化されていない主な理由は、以下の3点が挙げられます。
- 本人確認の厳格性:運転免許は公的な身分証明書でもあるため、偽造やなりすまし防止のため、窓口での本人確認が重視されています。
- 視力検査の必要性:安全運転には視力が不可欠。現時点では信頼できる遠隔検査手段が確立されていません。
- 講習の確実な受講:交通事故防止のための教育として講習の実施が義務付けられ、対面での実施が基本とされています。
一部地域ではオンライン講習が導入され始めている
2022年から一部の道府県(東京都、兵庫県など)では、優良運転者に限りオンライン講習が可能となりました。これにより、講習部分だけでも自宅で受けられるようになり、免許センターでの待ち時間が大幅に短縮されます。
ただし、視力検査と免許証交付のため、最終的にはセンター等へ行く必要がある点は変わりません。
世界では進むオンライン化、日本の現状との違い
アメリカやエストニアなど一部の国では、免許の更新が完全オンラインで可能な地域もあります。特にエストニアでは、デジタルIDを活用した政府手続きのオンライン化が進んでおり、免許更新も例外ではありません。
一方、日本では住基カードやマイナンバーカードの普及率や活用度に限界があり、デジタル化の恩恵がまだ一部にとどまっています。
将来的には完全オンライン更新も視野に?
国土交通省や警察庁もデジタル庁との連携により、将来的なオンライン化を見据えた議論を進めています。マイナンバーカードと連携し、視力検査を病院などで事前に済ませる仕組みや、自宅からの本人確認技術(顔認証など)の導入が検討されています。
現時点では「すべてがオンライン」は難しいですが、講習や申請書類の事前入力、QRコードでの受付など段階的なデジタル化は進みつつあります。
まとめ:現状は不便でも、変化の兆しは見えてきている
確かに運転免許の更新手続きは「時代遅れ」と感じる側面もあります。しかし、安全確保や法的整合性から現行の形が採られているのが実情です。ただし一部ではオンライン化が始まり、デジタル社会の進展とともに今後の利便性向上に期待が高まります。
日々の変化に注目し、制度の進化を上手に活用していくことが今後ますます重要になってくるでしょう。
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