渋滞時や信号待ちで、バイクが車列の横をすり抜けるように路肩を走っている姿を見たことがある方も多いでしょう。この行為に対して「違法では?」という声もありますが、実は法律を正しく理解することでその疑問は解消されます。この記事では、バイクの路肩走行の合法性と誤解の理由を解説します。
バイクの路肩走行は法律上許容されている
日本の法令において、路肩の走行について定めているのは「車両制限令第9条」です。この条文では、路肩の通行を原則禁止していますが、対象となる「自動車」は「道路運送車両法」により四輪車などの車両を指し、二輪車(バイク)は除外されています。
つまり、バイクは路肩走行をしても法律違反にはなりません。特に車両が停止している渋滞中の場面では、バイクが車列の横を進む行為が見られますが、これも規制の対象外です。
四輪車による路肩走行は違法
一方で、四輪車が路肩を走ることは「通行区分違反」に該当し、明確に法律で禁止されています。歩道や自転車道がない場所であっても、路肩に車輪が乗っただけで違反と判断されることがあります。
違反が成立すると、3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金、反則金9,000円、違反点数2点が科される可能性があります。
なぜ誤解されやすいのか?
このような誤解が生まれる背景には、教習所や一部の警察官による指導方針があります。四輪車向けに「路肩は通行帯ではない」と教えることが一般的であり、それがすべての車両に当てはまると誤って解釈されてしまうのです。
また、実際の運転現場でも四輪ドライバーがバイクの路肩通行を見て「違法だ!」と勘違いし、トラブルに発展するケースもあります。
実際の判例や行政指導の動き
警察庁や国土交通省が出している資料では、バイクのすり抜けや路肩通行に関して直接規制する明文化はありません。ただし、安全面から「無理な追い越し」や「速度超過」に該当すれば取り締まり対象になることはあります。
過去の判例においても、停止車両の間をすり抜けて路肩を走るバイクに対し、違法性が問われた例はごく少数です。多くの場合、安全運転義務違反の観点での注意喚起にとどまっています。
バイク側も安全配慮が必要
バイクの路肩走行が法律上問題ないからといって、常に許されるわけではありません。歩行者、自転車、開いたドア、障害物などへの配慮を怠ると、事故やトラブルの原因となります。
特に信号待ちや渋滞中の車両の間をすり抜ける際は、スピードを落とし、急な進路変更や予測不能な動きに備えることが求められます。
まとめ:法律を正しく知って安全に走ろう
バイクの路肩走行は、車両制限令第9条の対象外であり、法律的には許容された行為です。一方で、四輪車は厳しく制限されており、違反すれば罰則があります。
大切なのは、法的な知識と実際の道路状況への適応力を兼ね備えた走行です。誤解を恐れて萎縮するのではなく、正しい情報をもとにスマートで安全なバイクライフを送りましょう。
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