1989年登場のDOHC VTECの仕組みとは?高速カム切り替え方式と動作タイミングを詳しく解説

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1989年に登場したホンダのDOHC VTECは、当時としては画期的な可変バルブタイミング・リフト機構として多くの注目を集めました。高回転域でカムプロフィールを切り替えることで、低速トルクと高回転パワーを両立した技術です。

しかし、実際にどのような仕組みで高速カムへ切り替わっていたのかについては、ロッカーアームなのか、バルブシムなのか、カムシャフト自体が動くのかなど、疑問を持つ人も少なくありません。この記事では、初期DOHC VTECの構造や切り替え方法、切り替え時の動作について詳しく解説します。

1989年登場のDOHC VTECとはどのような技術だったのか

初代DOHC VTECは、ホンダが開発した高性能エンジン技術で、1989年に登場したB16A型エンジンなどに採用されました。

最大の特徴は、低回転用カムと高回転用カムという異なるプロフィールのカムを使い分けることで、低速域での扱いやすさと高回転域での出力を両立した点です。

一般的なエンジンでは1つのカムプロフィールで全回転域を制御しますが、VTECでは回転数や負荷条件に応じてバルブの開閉量やタイミングを変化させることができます。

初期DOHC VTECの切り替えはロッカーアーム方式だった

1989年登場のDOHC VTECでは、高速カムへの切り替えにロッカーアーム機構が使用されていました。

具体的には、低速用カムを受けるロッカーアームと高速用カムを受けるロッカーアームがあり、通常走行時は低速用カムがバルブを動かします。

そして一定の回転数や条件に達すると、油圧によってロッカーアーム同士を固定し、高速用カムの動きをバルブへ伝える仕組みになっています。

バルブシムやカムシャフト移動による切り替えではない

初期のDOHC VTECは、バルブクリアランス調整用のシムを動かして切り替える方式ではありませんでした。

また、カムシャフトそのものをスライドさせて高速カムへ移行する構造でもありません。

カムシャフトは固定された状態で回転し続けており、ロッカーアーム内部の連結状態を変えることで、どのカムプロフィールを使用するかを切り替えていました。

つまり、物理的にカムを移動させるのではなく、「カムの動きをどのロッカーアームで受けてバルブへ伝えるか」を変化させる方式です。

VTECの切り替えは一斉に行われるのか

DOHC VTECでは、条件が整うと複数のバルブが同時に高速カム側へ切り替わります。

例えば4気筒エンジンの場合、各気筒の吸気側・排気側に設けられたVTEC機構が油圧によって作動し、一瞬でロッカーアームを固定します。

そのため、運転者が感じるVTECの切り替わりは「急にエンジンの性格が変わる」ような感覚になります。特に高回転域での音や加速感の変化は、初期VTECエンジンの大きな魅力でした。

VTEC切り替え時に段差のような変化を感じる理由

初期DOHC VTECでは、高速カムへ切り替わるとバルブリフト量や開閉時間が大きく変化します。

低回転では燃費や扱いやすさを重視したカムを使用し、高回転では大量の空気を取り込むための高性能カムへ変わるため、エンジンの吹け上がり方が大きく変わります。

例えばB16Aエンジンでは、VTEC作動回転域を超えると吸気音が変化し、さらに高回転まで力強く回る感覚を楽しめることから、多くのドライバーに強い印象を残しました。

後年のVTECには異なる制御方式も存在する

VTECという名称は同じでも、後年のエンジンでは制御方法が進化しています。

SOHC VTECやi-VTECなどでは、目的に応じて異なる機構が採用されており、すべてのVTECが初期DOHC VTECと同じ構造ではありません。

そのため、VTECについて調べる場合は、搭載されているエンジン型式ごとに確認することが重要です。

まとめ:初代DOHC VTECはロッカーアームを油圧で連結する方式だった

1989年に登場したDOHC VTECは、バルブシムを動かしたり、カムシャフトをスライドさせたりする方式ではなく、ロッカーアームを油圧で切り替える方式を採用していました。

通常時は低速用カムを使用し、条件が整うとロッカーアームを連結して高速用カムの動きをバルブへ伝えることで、高回転域での大きなパワーを実現しています。

この独特な構造と、一瞬でエンジン特性が変化するフィーリングこそが、初期DOHC VTECが現在でも多くのファンを魅了している理由の一つです。

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