バイクカスタムを楽しむ中で、マフラー交換は見た目・音・性能を大きく変える人気のカスタムです。しかし、FI(フューエルインジェクション)車にキャブ車用マフラーを取り付ける際には、いくつか注意点があります。今回は、2011年式のFI仕様カワサキ250TRに、T&F製のキャブ車用トランペットマフラーを装着したい方に向けて、実例とポイントを解説します。
FI車とキャブ車用マフラーの互換性について
基本的に、キャブ車用のマフラーはFI車にそのままでは適合しないとされています。メーカーの製品ページに「FI車不可」と記載されている場合、無加工での取り付けは不可と判断しておいた方が安全です。
とはいえ、ネット上では「ステー加工やO2センサーの処理を行えば装着可能だった」といった実例もあり、ある程度の知識と技術があれば流用は可能なケースもあります。
具体的な取り付け加工の内容
FI車にキャブ車用マフラーを装着するには、次のような加工・対応が必要になる場合があります。
- ステー調整:FI車とキャブ車ではフレーム形状やステー位置が異なるため、金具の追加や曲げ加工が必要になることがあります。
- 差込径の確認:エキパイとマフラーの接続部分の径が異なる場合、変換アダプターの使用や加工が必要です。
- O2センサー処理:FI車ではO2センサーがエンジン制御に関与しています。取り外しに伴いO2センサーキャンセラーを使用するか、センサーポートの移設・再配置が必要です。
これらの作業にはある程度の知識と工具が必要なため、不安があればプロショップに依頼するのが無難です。
装着後に起こり得る不具合とその対処
FI車に適合外マフラーを装着すると、次のような不具合が発生する可能性があります。
- 燃調のズレ:FI車は空燃比のバランスでエンジン制御しているため、排気抵抗の変化によってアイドリング不調・アフターファイアが出る場合があります。
- 燃費の悪化:最適な燃調が崩れると燃費が悪化するケースも。
このような症状が出た場合、FIコン2(燃調コントローラー)などの導入で燃調を補正するのが有効です。
実際に取り付けたユーザーの声とアドバイス
一部ユーザーのレビューによると、
「ステーを加工して無理やり装着したけど、O2センサーのエラーが出て結局キャンセラーをつけた」、
「音はすごくいいが、エンストしやすくなったので燃調補正が必要だった」など、実用上は問題ないものの、トラブルもある程度覚悟する必要があります。
そのため、DIY経験者やカスタムに慣れた人向けの作業と言えるでしょう。
FI車オーナーが安心して選べる代替マフラーは?
無加工で装着したい場合は、FI車専用品を選ぶのが安心です。T&Fやモリワキ、SP忠男などからFI車用マフラーが販売されているので、そちらを検討するのも選択肢の一つです。
また、中古市場でも「250TR FI専用マフラー」と明記された商品を探すことで、リスクを大きく減らせます。
まとめ:キャブ車用マフラー流用は可能だが自己責任で
結論として、FI車にキャブ車用マフラーを装着することは物理的には可能ですが、ステー加工・センサー処理・燃調補正といった工程を踏む必要があり、自己責任でのカスタムとなります。
不安がある場合は、信頼できるカスタムショップに相談し、安全かつ快適なカスタムを楽しみましょう。
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