ヤマハRZ250Rをレストア中の方にとって、外観の決め手とも言えるのがメーター周り。中でも『弁当箱メーター』と呼ばれる初期型の角形メーターは、29L型の象徴として今なお高い人気を誇っています。この記事では、その弁当箱メーターの基本構造や後期型との違い、流用の可否、取り付け時の注意点などを詳しく解説します。
RZ250R・29L初期型に見られる弁当箱メーターとは
通称“弁当箱メーター”とは、1983年登場のRZ250R(29L)初期型に採用された角型の機械式メーターです。スピードメーターとタコメーターを四角い筐体に収めたデザインで、その見た目が“弁当箱”に似ていることからそう呼ばれます。
外装の角ばったフォルムとマッチするメーター形状は、のちの51L以降で丸型へ変更されるため、このメーターは29L特有のアイコンといえます。
29L以降のモデルとの違いと流用の実態
29Lの次世代モデルである51L(1985年〜)以降は、丸型のメーターに変更されました。配線や取り付けステーも大幅に設計変更されているため、外見上の互換性はありません。
しかし、ネットやオークションでは29Lと称しながら後期型メーターが付いている車両も多く見受けられます。これは「29Lフレームに後期型メーターを載せた」車両であることが多く、純正とは言い難い仕様になっているケースもあります。
弁当箱メーターの流用や汎用性について
結論からいえば、29L弁当箱メーターは“汎用性は高くない”部品です。純正のステーと機械式ケーブル、配線の形状が合致しないと取り付けは困難です。
ただし、同系統のRZ250/350シリーズ(4L3系)や、一部SRX250(初期)などとスピードメーターケーブルの互換性があることが知られています。汎用的に流用するには、以下のような条件を確認しましょう。
- メーターケーブル径とネジ形状
- 電装(インジケーターや照明)の電圧・端子配列
- 取り付けステー形状と位置
取り付け時の注意点と実例
過去のレストア例では、29Lメーターを後期フレームに搭載するためにメーターステーを自作したケースもあります。配線もギボシ端子で変換したり、社外スピードメーターギアに交換したりといった工夫が必要になることが多いようです。
たとえば、「51Lのフレームに29Lメーターを載せたい」というケースでは、スピードギア比が異なるため速度表示に誤差が出る可能性があります。実際の速度とのズレをGPS等で計測し、必要であれば社外品のギア比補正パーツを取り入れる方法もあります。
社外パーツの選択肢と代替案
純正の弁当箱メーターはすでに廃番になっており、状態の良い中古品は高値で取引されています。代替案としては、ヤフオクや旧車ショップで状態の良い個体を探す他に、デイトナやPOSHなどが出しているクラシックメーターを活用する方法もあります。
ただし見た目の再現度や照明の色味など、純正と完全一致させるには相応の調整や部品流用が前提となります。
まとめ|29L弁当箱メーターは簡単に流用できるパーツではない
RZ250Rのレストアにおいて、29Lの弁当箱メーターは魅力的な外装パーツである一方、そのまま流用するには配線・取り付けの工夫が必要不可欠です。
取り付けに挑戦する場合は、互換性のある車種・パーツの情報をしっかり集め、電装周りの確認やステーの製作にも時間をかける覚悟が必要です。レストアの醍醐味ともいえる作業ですが、事前の準備と検証が成功のカギを握るでしょう。
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