モンキーやカブの点火時期調整方法とフライホイールの遅角固定の考察

カスタマイズ

モンキーやカブなどの小排気量エンジンにおいて、点火時期の調整はエンジン性能を最適化する重要な要素です。特にCDI(キャパシタディスチャージイグニッション)を変更する場合、進角の特性を理解し、調整することが求められます。本記事では、点火時期の調整方法や、フライホイールのキーを抜いて固定する方法の是非について詳しく解説します。

1. 点火時期の基本と進角特性

点火時期とは、ピストンが上死点に到達する前に点火するタイミングのことを指します。一般的には、アイドリング時には進角が少なく、高回転になるにつれて進角が増す特性があります。

  • アイドリング時(低回転): 進角が小さく、安定した燃焼を実現。
  • 高回転時(6000rpm以上): 進角が大きくなり、燃焼効率を高める。

例えば、求める点火時期が以下の場合。

  • アイドリング時(1000rpm付近):進角17度
  • 高回転時(6000rpm):進角35度

一方、使用するCDIが以下の設定の場合。

  • アイドリング時(1000rpm付近):進角20度
  • 高回転時(6000rpm):進角38度

この場合、フライホイールを遅角方向に3度ずらすことで、求める点火時期に近づけることができる可能性があります。

2. フライホイールのキーを抜いて遅角固定する方法の考察

フライホイールのキーを抜くことで、点火タイミングを微調整する方法は理論的には可能ですが、いくつかのリスクも伴います。

メリット

  • CDIの交換が不要で、手軽に点火時期を変更できる。
  • 低コストで調整が可能。

デメリット・リスク

  • フライホイールのズレ: キーを抜くことで、振動や衝撃によりフライホイールが意図しない角度にズレる可能性がある。
  • エンジンの始動性への影響: 点火タイミングがズレすぎると、始動性が悪化する可能性がある。
  • 安全性の問題: 高回転時にフライホイールがズレると、エンジンにダメージを与えるリスクがある。

3. より安全な点火時期調整の方法

フライホイールのキーを抜く方法は一定のリスクがあるため、以下の方法を検討するのも有効です。

可変CDIを使用する

  • 市販の可変CDIを使用すれば、進角カーブを自由に設定できる。
  • ECUチューニングが可能な場合は、マップ調整により最適な点火タイミングを設定できる。

アジャスタブルピックアッププレートを活用

  • フライホイールの位置を変えずに点火時期を調整できる専用プレートを使用する。
  • エンジンの安全性を確保しつつ、細かい調整が可能。

4. まとめ

モンキーやカブの点火時期調整は、エンジン性能を引き出すために重要ですが、フライホイールのキーを抜いて遅角固定する方法はリスクがあるため慎重に行う必要があります。

  • キーを抜いて3度遅角固定することで、理論上は希望の点火時期に近づけることが可能。
  • しかし、フライホイールのズレや始動性の悪化などのリスクがあるため、安全な方法を優先する。
  • 可変CDIやアジャスタブルピックアッププレートの活用も検討する。

最適な点火時期を設定することで、エンジンの性能を最大限に引き出し、快適なライディングを楽しみましょう。

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