バイクの「12か月点検(または定期点検)」を出して戻ってきた直後にエンジンが停止、原因がタンク内の錆によるキャブ詰まりだった、というケースに直面すると「点検してもらったはずなのに…」「この修理、工場が無償で対応すべきでは?」と疑問になる方も多いでしょう。この記事では、点検の役割・整備工場の責任・保証や費用発生の可能性まで整理していきます。
定期点検(12か月点検等)とは何か?
自動車やバイクの点検には、例えば車では法律上の「法定点検」というものがあります。バイクでも整備契約や販売店保証に定期点検を条件にしている場合があります。[参照]
ただし「点検を受けた=その後の故障を100%防ぐ」という保証ではなく、点検時に目視・測定できる範囲に限られます。消耗品の劣化や環境要因(錆・腐食等)による故障については、点検の時点では発覚しにくいこともあります。
点検実施後の故障と修理費用発生の可能性
点検を出して直後に故障が発生したとしても、整備工場が無条件で無償修理を負担すべき、という法的ルールは一般的には存在しません。点検契約内容・販売店保証・整備保証の有無によって対応が分かれます。[参照]
例えば、タンク内の錆が原因でキャブレターの番手詰まりが起きたケースでは、「タンク内の腐食・錆」という整備前に隠れた劣化要因があったと判断されると、整備工場の過失とはならず、修理費用がユーザー負担になることがあります。
保証・整備記録・整備工場選びのポイント
整備や保証の観点で押さえておきたいポイントとして、以下があります。
- 整備記録簿・分解整備記録:認証工場では整備・分解した記録を残すことが求められています。[参照]
- 販売店・整備店の保証規定:新車保証や中古車販売店保証では「定期点検を実施していること」を条件に無償修理を認める場合があり、逆に点検未実施を理由に免責となることもあります。[参照]
- 点検箇所の範囲・消耗部品の扱い:点検の時点で交換対象でない消耗部品やタンク内の錆などの“隠れ劣化要因”は、点検義務範囲外・保障対象外とされることもあります。
実例から考える:タンク錆・キャブ詰まりの場合
ご質問のケースのように、12か月点検後1週間でエンジン停止→バイク屋にてタンク内の錆が原因でキャブ詰まりという診断の場合、次のように整理できます。
・点検時にタンクを開けて内側を分解・清掃していなければ、<錆の発生/飛び込みによる詰まり>は点検時には発見しづらい。
・そのため、整備工場が点検実施義務を果たしたとしても、タンク錆という“見えない劣化”をカバーしていたとは言い切れない。
・修理費用が有償になる可能性が高いが、整備店と「点検での指摘事項/交換勧告の有無」「契約整備内容/保証規定」を確認しておくことが重要です。
実際、あるバイク保証サービスでは「消耗品・油脂類・タンク内腐食などの自然劣化による不具合は保証対象外」と明記されています。[参照]
修理費用の交渉・整備店への問いかけポイント
費用発生をできるだけ抑えるためには、以下を整備店に確認・相談すると良いでしょう。
- 点検時にタンク・燃料経路・キャブレター周りに「錆・腐食・異物混入」などの指摘がなかったか。
- 点検整備記録簿・分解整備記録簿が提示可能か。「今回の修理箇所が点検時に想定可能だったか」を確認。
- 修理内容に対して「見積り・原因説明」を文書・口頭で受けており、ユーザーが同意してから作業しているか。
まとめ
12か月点検を実施した直後に発生したエンジンストップというケースでも、「点検をした=全ての故障を無料で直せる」というわけではありません。特に、タンク内の錆などの隠れた劣化要因がある場合、整備工場の無過失・契約上の保障範囲外とされることがあります。
そのうえで、修理費用が発生するかどうかは「点検時にその劣化要因を見抜けたか・整備店の点検契約・保証規定・整備記録の有無」などに左右されます。整備店に確認をすることで、費用負担の理路整然とした判断ができます。


コメント