エイプ(APE)に12インチのモンキー用ファルコン風ホイールを装着するカスタムは、独特のスタイルと走りを楽しみたいカスタム派にとって魅力的なアレンジです。ただし、特にフロント周りの装着に関しては、互換性や構造の違いを理解した上での慎重な対応が求められます。今回はそのポイントを解説します。
エイプに12インチモンキーホイールを装着する目的とメリット
エイプ純正の前後17インチホイールから、12インチのモンキー用ホイールへ変更することで、ロー&コンパクトなスタイルを実現できます。さらに、ホイールの選択肢も豊富で、ファルコン風などのビンテージ感のあるデザインも魅力です。
また、足付き性の向上や低重心化による取り回しのしやすさも副次的なメリットとして挙げられます。
リアホイール装着に必要な対応とは
リア側は比較的スムーズで、モンキー用ホイールに合わせてスプロケットのオフセット調整とブレーキパネルの工夫が主なポイントになります。エイプのスイングアームを加工せずに装着するには、ハブ幅とチェーンラインの調整に注意が必要です。
場合によってはエイプ純正のリアブレーキパネルが使えることもありますが、ホイールによってはモンキー用をベースにカスタムするほうがスムーズなケースもあります。
フロントホイール装着の課題とシャリー用プレートの使用例
フロントはより難易度が高く、モンキー用のフロントハブをエイプのフォークに合うように工夫する必要があります。よく言及されるのが「モンキーハブ+シャリーブレーキパネルプレート」の組み合わせですが、これがそのままエイプのフォーク突起(アーム)に対応するかは車体やハブの個体差によって異なります。
具体的には、エイプのフロントアクスル径が12mmであることに対し、モンキーやシャリー系は10mmが多いため、カラーの製作やベアリング打ち換えなどの加工が必要になるケースがほとんどです。
ディスクブレーキ化が高額な場合のドラム運用の工夫
予算的にディスクブレーキ化が難しい場合でも、ドラムブレーキの精度を上げることで安全性を保つことは可能です。モンキー用のハブを使いつつ、エイプのブレーキワイヤーとレバー比に適した調整が必要です。
シャリーブレーキプレートの切削加工や、フォークとのアーム位置合わせによる溝調整などの作業が発生する可能性があるため、自作に自信がない場合はカスタムショップに相談するのが無難です。
装着時の注意点と確認すべきポイント
- アクスル径の一致または変換スペーサー
- ブレーキプレートの突起とフォークのストッパー位置
- タイヤの外径差によるスピードメーターの誤差
- ホイールオフセットによるステム・フェンダーとの干渉
特にスピードメーターの誤差は公道走行に支障をきたす場合があるため、補正ギアの装着やGPSスピードメーターの併用なども検討しましょう。
まとめ:構造を理解しながら安全なカスタムを
エイプに12インチモンキーホイールを装着するカスタムは、技術的な工夫が求められる分、完成したときの満足度も大きなものになります。特にフロント装着は慎重な調査と確認が必要です。
少しでも不安がある場合は、信頼できるバイクショップに相談しながら進めることで、安全性と美しさを両立したカスタムを実現できます。
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