モータースポーツファンなら誰しも一度は夢見る「F1ドライバーが市販車でニュルをアタックしたらどうなるのか？」というシナリオ。特にポルシェ911 GT2 RSのようなサーキット仕様に近い市販車では、そのパフォーマンスの限界がどこにあるのかも気になるところです。本記事では、プロのテストドライバーが記録したタイムに対して、F1現役ドライバーたちがどこまで迫れるのかを分析します。
ポルシェ911 GT2 RSが記録したタイムとは？
ポルシェ911 GT2 RS MRは、ニュルブルクリンク北コース（通称“ニュル北”）で6分38秒台という驚異的なラップタイムを記録しました。これは市販車としては世界最速クラスのタイムです。ドライバーは、ポルシェの開発・テスト部門のプロ中のプロ。コース特性や車の特性を熟知している人物です。
このタイムは、路面コンディションやタイヤの温度管理、空力セットアップなど、非常に繊細な条件が揃って実現したものです。
F1ドライバーの実力と対応力の高さ
フェルスタッペンやアロンソといったF1ドライバーは、反射神経やライン取り、状況対応能力においては世界最高レベルです。しかしF1はプロトタイプ専用マシンであり、市販車やGTカーとはドライビングスタイルが大きく異なります。
たとえ事前に練習を重ねても、車の挙動、重量配分、ABSやトラクションコントロールなど、F1とはまったく違う挙動に慣れる必要があります。そのため、パフォーマンスの引き出し方はテストドライバーの方が熟知している場合も多いです。
1分以内のタイム差に収まる可能性は高い
F1ドライバーがポルシェ911 GT2 RSで全力アタックを行った場合、1分以上遅れる可能性は低いと考えられます。十分なシミュレーター練習やテスト走行が前提であれば、ラップタイム差は20〜40秒程度に収まるというのが現実的な予測です。
実際、F1経験者がGTカーでレースを行った際にも、市販車ベースの車両で速やかに適応し、上位タイムを叩き出すケースは多く見られます。
テストドライバーの熟練技術も侮れない
一方で、ポルシェのテストドライバーは何百周にもわたりニュル北を熟知しており、車両ごとの細かなセッティングやライン選択も最適化されています。サスペンションの沈み込みを活かすような走りや、リスクを極限まで管理するテクニックは、F1ドライバーといえども一朝一夕に真似できるものではありません。
つまり、F1ドライバーといえども、この「究極のテスト環境＋熟練知識」にはやや及ばない可能性もあります。
同じようなチャレンジ事例も参考になる
過去には元F1ドライバーがラ・フェラーリやアストンマーティン・ヴァルキリーでタイムアタックを行った事例もあります。市販車ではあるものの、限界領域での扱いには大きな熟練が必要であり、このGT2 RSの動画もそれを証明しています。
まとめ：F1ドライバーでも簡単に勝てる相手ではない
F1ドライバーがポルシェ911 GT2 RSでニュル北を走った場合、タイム差は最大でも1分未満に収まる可能性が高いです。ただし、プロのテストドライバーが出した記録は単なる「腕前」ではなく、車両・路面・空力のすべてを知り尽くした上での総合力です。
F1ドライバーがニュルで速いのは間違いありませんが、「現場に最も適した人材」＝テストドライバーが出したラップには、まだ届かない可能性も十分あるといえるでしょう。
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