バイクのカスタムの中でも、マフラー交換は人気の高い項目のひとつです。特にCB400SF NC42前期型においては、VTECシステムの独自性から、マフラー交換によって走行フィーリングや挙動が変化するケースが見られます。中にはVTECの切り替えタイミングが変化するように感じるユーザーもいるため、今回はその仕組みと考えられる要因について解説します。
CB400SFのVTECシステムとは？
CB400SF（NC42）には可変バルブタイミング機構、通称「HYPER VTEC」が搭載されています。通常は2バルブで走行し、約6,300〜6,700rpmで4バルブに切り替わることで、高回転域でのパワーを向上させる仕組みです。
この回転数はエンジン負荷や気温、吸気量など複合的な条件により微調整されており、必ずしも固定ではありません。
マフラー交換とVTEC作動タイミングの関係
フルエキゾーストマフラーに交換すると、排気効率が大きく変化します。これにより吸排気バランスが変わり、ECUがエンジンの状態を異なるものと認識し、VTECの作動回転数に微妙な変動が生じる可能性があります。
実際に「プリティーレーシング」のような社外製フルエキでは、VTECの切り替えポイントが6,300rpmから7,000rpm程度に上がると感じるユーザー報告がいくつかあります。
この挙動は「異常」ではなく「仕様」
CB400SFのECUは、エアフローや回転数、スロットル開度などの情報をもとにVTECの作動を判断しています。マフラー交換による空燃比の変化で、回転数が高めにシフトすることは珍しいことではありません。
したがって、「VTECの切り替えが7,000回転前後に変わった＝異常」ではなく、仕様内の正常動作と見て問題ありません。
燃調セッティングの最適化も検討を
とはいえ、マフラー交換後の空燃比ズレが大きいと、燃費悪化やスロットルレスポンスの悪化、排ガスの濃度異常につながることもあります。パワーコマンダーなどの燃調コントローラーを導入してセッティングを行えば、VTEC切り替え回転数もより最適化されます。
セッティングはバイクショップや専門業者でダイノジェットなどの実走セッティングを依頼することをおすすめします。
実際のユーザーの声
・「プリティーレーシングのフルエキ入れたらVTECの切り替えがやや遅くなったけど、その分音も力強さも上がったから満足」
・「音はいいけど低中速でトルク感が薄くなったので燃調補正して快適になった」
まとめ：VTEC作動タイミングは変動することもある
CB400SFにおいて、社外マフラー交換後にVTEC作動回転数が変化するのはよくある現象で、基本的には正常な挙動です。
ただし、よりスムーズな走行やエンジンの保護のためにも、燃調セッティングを検討することが望ましいでしょう。マフラー交換は、パフォーマンスと個性を引き立てるカスタムの第一歩。正しい知識で安心して楽しみましょう。
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