新基準の原付は本当にヤバい?排気量・トルク・カスタムの可能性を徹底解説

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2025年から本格的に適用され始めた新原付(二種)の規格変更により、従来の50ccから最大125cc未満までを含む“5.4PS”制限の新カテゴリーが登場しました。この変更は一見、パワーを抑制する方向にも見えますが、実際には多くのバイクファンの間で「トルクがヤバい」「チューニングすれば速くなるのでは?」と話題になっています。この記事では、原付新基準の技術的背景から、パワーとトルクの実態、さらにチューニングによる影響まで詳しく解説します。

原付の新基準とは?制度変更の背景

新基準では、排気量の上限が125cc未満まで引き上げられつつ、出力は5.4PS(約4kW)までに制限されました。これにより、「原付一種」と「原付二種」の中間にあたる新たな区分が設けられた形になります。

これは欧州で採用されているA1クラスに準じたもので、安全性の向上や環境基準の適合が目的です。ユーザーにとっては高速道路には乗れないが、パワーがあり取り回しの良い“実用車”として魅力的な選択肢になります。

出力制限があってもトルクは強烈?技術的な裏側

たしかに5.4PSという出力制限は、パワー面では控えめに見えます。しかし、排気量が100cc〜124ccの車体であれば、ピークパワーは抑えていても、最大トルクは明らかに上昇します。ECU制御やヘッド設計で高回転時のパワーをカットしても、低中速トルクは物理的に大きくなる傾向にあります。

例えば、従来の50ccスクーター(例:ホンダ・トゥデイ)が最大トルク0.38kgf·m程度だったのに対し、同じ制限内の110ccエンジンでは0.6kgf·m以上が普通。これは坂道や発進加速において明確なアドバンテージとなります。

簡単に“速い原付”になってしまうのか?

このトルクの余力に加えて、少しの工夫(例えばハイギヤ・ハイプリ加工やリアタイヤのインチアップ)によって、法定制限ギリギリの加速性能を持つ車両が簡単に作れてしまうことが問題視されています。

実際に一部ユーザーの間では、アドレス110をベースにマフラー・駆動系の交換をしただけで、原付の枠を超えるような加速性能を実現したという声もあります。これが“かっとび原付”と呼ばれるようなカスタム例の一つです。

改造と法規制:どこまでが合法?

この新原付クラスは「5.4PS」という定格出力を超えない限り、たとえ110ccや124ccでも登録可能です。しかし、チューニングによって出力が実質的に超えてしまえば、車検なしの軽二輪扱いにはならず、整備不良や保険・免許上の問題が発生する可能性があります。

特にECUの書き換えや駆動系の交換は、見た目ではわかりにくい改造でありながら、計測次第では出力超過となるリスクがあるため注意が必要です。

新原付は誰におすすめか?

このクラスの車両は、都市部の通勤や配達など「低速・短距離」に最適化された用途に向いています。また、バイク初心者でも取り扱いやすく、コストパフォーマンスに優れています。排気量が大きくても保険や税金は原付二種扱いなので、維持費も安く抑えられます。

一方で「スポーツ性能」を求めたり、「チューニング前提」での購入を検討している方には、しっかりと法令と向き合いながらの判断が求められるでしょう。

まとめ:パワーよりトルクの時代へ?新原付の可能性と注意点

新基準の原付は、単なる“弱いバイク”ではなく、排気量とトルクによって実用性を大きく伸ばした革新的なカテゴリーです。しかし、パワーを抑えてもトルクが高いことで、意図せず法的グレーゾーンに入ってしまう可能性もあります。

ユーザーとしては、スペックに惑わされず、法的制限や実用面のバランスを理解した上で購入・カスタムを行うことが求められます。新原付は「遅いけど速い」、そんな矛盾した魅力を持つ存在です。

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