RX7 FD3SのLSD(トルセンLSD)の効果と片輪浮きの挙動について

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RX7 FD3Sは、そのスポーティな走行性能で知られていますが、改造車に多く見られる「片輪が浮いている状態(亀になっている)」についての疑問がよく聞かれます。特に、純正のトルセンLSD(リミテッドスリップデフ)がその状態にどう関与するのか、また、LSDが効いてよじ登ることができるのかについて、詳細に理解しておくことは重要です。この記事では、FD3SのトルセンLSDの効果と、片輪浮き状態に対する挙動について解説します。

トルセンLSDとは?その基本的な仕組み

トルセンLSD(トルクセンシングLSD)は、駆動力を差動的に分配することにより、片輪が空転した際にもう一方のタイヤにトルクを伝えることができる差動装置です。このLSDは、特にスポーツカーや高性能車に搭載されることが多く、トラクションの向上を目的としています。

FD3Sに搭載されているトルセンLSDは、基本的に走行中に片輪が空転した場合、その反対側のタイヤにトルクを伝えることで、より安定した走行性能を実現します。ただし、完全に差が大きい場合(例えば片輪が浮いている場合など)は、その効果が十分に発揮されない場合もあります。

片輪が浮いた状態でのトルセンLSDの効果

片輪が浮いている状態(亀になっている状態)では、トルセンLSDが効果的に機能しないことがあります。なぜなら、LSDは両輪に適切な接地があることを前提にトルクを分配するため、片方のタイヤが完全に浮いてしまうと、トルクが全く伝わらなくなり、空転するタイヤだけが回ることになります。

そのため、片輪が浮いている状態では、LSDの効果は薄くなり、駆動力を両輪に分けることができないため、実際に前に進む力が失われることになります。

片輪が浮いた状態で「よじ登る」ことはできるか?

一般的に、トルセンLSDが効いている状態でも、片輪が浮いている場合、車両が障害物を「よじ登る」ことは難しくなります。特に、LSDの特性上、片輪が完全に空転していると、残るタイヤへのトルク伝達が不完全となり、前進するための力が不足します。

一部の高性能なLSDや、電子制御式のトルクベクタリングシステムでは、片輪が浮いた状態でも駆動力を最適に分配することが可能な場合もありますが、FD3Sの純正トルセンLSDではその効果は限定的です。そのため、片輪が浮いた場合には、状況によっては「よじ登る」ことは難しいと言えるでしょう。

改造車でのLSDの性能を向上させる方法

改造車や高性能車では、LSDをさらに強化して性能を向上させる方法もあります。例えば、リジッドタイプのLSDや、強化版のトルセンLSDを搭載することで、より高いトラクション性能を実現することができます。

また、車両のサスペンションやタイヤのグリップ力を向上させることでも、トラクションを高めることが可能です。これにより、片輪が浮いている状態でも、ある程度は進むことができる可能性がありますが、完全に「よじ登る」ためには、状況に応じたカスタマイズが必要です。

まとめ

RX7 FD3Sに搭載されている純正のトルセンLSDは、片輪が空転している場合にはその効果が制限されることがあります。特に、片輪が完全に浮いてしまった状態では、トルセンLSDが十分に機能せず、車両が前進しないことが考えられます。改造や強化LSDを導入することで、性能を向上させることは可能ですが、完全な「よじ登り」性能を求める場合には、より高度な技術やカスタマイズが必要です。

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