バイクのカスタムは見た目の印象を大きく左右します。特にガソリンタンクの塗装は車体の印象を決定づける重要な要素です。プロによるウレタン塗装の美しさを活かしつつ、旧車らしさを出すためにピンストライプを追加したいというニーズも少なくありません。この記事では、ウレタン塗装済みのタンクに後からピンストライプを加えたい場合の具体的な方法や、失敗した際に元に戻すためのポイントを詳しく解説します。
ウレタン塗装とピンストライプの相性
ウレタン塗装は耐久性と光沢性に優れており、長期的に美観を保つために非常に人気のある塗装方法です。ただし、乾燥後は非常に強固な皮膜を形成するため、その上から別の塗料を使用する際には適切な処理が必要です。
ピンストライプを加える際、塗料の“相性”と“定着性”が大きな課題になります。アクリルやラッカー系はウレタンに比べて塗膜が弱く、直接の塗り重ねは剥がれやすい、あるいは溶剤による下地侵食の可能性もあるため注意が必要です。
おすすめの工程と使用材料
現状復帰も視野に入れた工程として以下の手順が比較的安全です。
- ①脱脂処理(シリコンオフなど)で塗装面を清掃
- ②アクリル系または水性のピンスト専用塗料で描画
- ③必要であればアクリル系の艶消しクリアを軽く吹く(数回に分けて軽く重ね塗り)
- ④完全乾燥後、失敗時はラッカーシンナーではなく専用のリムーバーで慎重に拭き取り
ラッカーやアクリルのクリアをウレタン上に吹く場合、ミストで仕上げるようにすると塗料の化学反応による下地侵食を防ぎやすくなります。
失敗しても現状復帰する方法
ピンストライプのやり直しを前提とするなら、絶対にウレタン系塗料では描かないことが基本です。ウレタン塗料は塗膜が強く、一度塗ると溶剤では除去できず、研磨が必要になります。
アクリル系や水性塗料を使用していれば、専用のリムーバーで比較的簡単に除去できます。ただし、擦りすぎるとウレタン塗膜にもダメージが及ぶので、ソフトクロスで試しながら慎重に作業しましょう。
ピンストを入れることで得られるカスタム性
ピンストライプは旧車のクラシック感や個性を演出する定番カスタムです。タンク全体に模様を加えるわけではなく、ポイントで入れることで印象がガラリと変わります。
例えば「黒一色のタンクにシルバーの細線」や「艶消しクリアでのトーンダウン」など、控えめなアクセントでも強い存在感を放つことができます。
その他の代替手段:シールやピンスト用フィルム
「塗料で描くのは不安」という方には、剥がせるピンスト用ステッカーや「塗装風フィルム」も選択肢になります。これなら完全なやり直しができ、練習にも最適です。
また、最近は水転写デカールを使ったカスタムも人気で、艶あり・艶なしどちらのトップコートにも対応する商品も出ています。
まとめ:塗装カスタムは慎重に試すのが鉄則
ウレタン塗装の上からピンストライプや艶消し処理を施す場合は、塗料の選定や塗布方法に細心の注意が必要です。特に「元に戻せること」を重視するなら、ラッカーやアクリル系の使用やステッカーによる代替案が現実的な選択肢となります。
旧車バイクの魅力を活かすカスタムとして、しっかり準備と検証を重ねながら、自分だけの1台を仕上げていきましょう。
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