CL350などのバイクエンジンをオーバーホール後に組み立てる際、液体ガスケットの種類や塗布方法に悩むことがあります。「垂れにくいものを使いたい」「マニュアルの通りにできるか不安」という声は非常によく聞かれます。この記事では、液体ガスケットの選び方と塗布のポイント、そして作業をスムーズにする便利ツールを、実例を交えて詳しく解説します。
液体ガスケットの種類と用途に応じた選び方
液体ガスケット(RTVシリコーン)は主に以下のタイプがあります。
- 油用(黒色・赤色):エンジンケースやオイルパンなどの油路封止に適しています。
- 水冷用(青色・緑色):冷却水経路用に使われ、耐水性があります。
- 高温・耐熱タイプ(シルバー):エキゾースト接合部などの高熱部に使用。
CL350のバルブ側やケース合わせ部分には、主に油用のRTV(耐油黒)が一般的です。
選ぶポイントは、「適応温度」「硬化後の弾性」「垂れにくさ」。高温に強く、塗布しやすいペースト状の製品がおすすめです。
正しい液体ガスケットの塗り方と注意点
マニュアルに書かれた「ケースの合わせ面に塗る」とは以下の手順を指します。
- 古いガスケットやカスを全面除去し、脱脂する
- 塗布の厚さは約1~2mm程度、均一に連続した線状に伸ばす
- 圧着時は塗った面が接合面となるよう静置し、メーカー指定時間(約10分)硬化を待つ
- 組み付け後はしばらくアイドリング(10~15分)して圧力や漏れがないか確認
垂れを抑えたい場合は、組み付け直前に塗布し、床に垂れない姿勢で仮合わせすると安心です。
垂れ防止の実例:研ぎ出しチップでピンポイント塗り
ベテラン整備士の中には、細い綿棒や研ぎ出しチップに液体ガスケットを染み込ませ、「必要箇所だけ丁寧に塗る」という方法を使う人もいます。
この方法で垂れが激減し、組み付け後の掃除時間も短縮できるという声もあります。
便利な工具・アイテム4選
- ガスケットクリーナー:エタノール系溶剤で古いガスケットや油汚れをしっかり落とせます。
- 研ぎ出しチップ:細かな盛り塗りや修正、垂れ防止に便利。
- トルクレンチ:指定トルクで確実にボルト締めし、均一な圧着を実現。
- 止まりピン&ブラケットセット:ケース合わせ時のズレ防止や位置決めに役立ちます。
まとめ:選びと塗り方、ツールで自信を持って組み立てよう
液体ガスケットは「用途に合った種類」「垂れにくいペースト状」「マニュアル通りの塗布方法」「便利なツールの活用」で、その効果と施工品質が大きく変わります。
垂れが気になるなら、細かい部分にピンポイントで塗れる研ぎ出しチップなどを活用し、隙間なく圧着できるよう慎重に作業しましょう。これらを心がけることで、組み立て作業への不安を大幅に軽減できます。
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