ホーネット250で低速域の不調が起きたときに疑うべき原因と対処法

ホーネット250などキャブレター仕様のバイクでは、ある日突然「低速がボコつく」「加速が鈍い」といった症状に見舞われることがあります。今回は、こうした不調が発生した際に考えられる原因や確認ポイント、対処法について詳しく解説します。

まず確認したい：点火系の状態

プラグを新品に交換したばかりでも、点火系に不調があれば同様の症状が出ます。特に以下のようなパーツは経年劣化の影響を受けやすいです。

一例として、見た目には問題がなくても、イグニッションコイルにクラックが入っていると高回転では問題なくても、低速で失火しやすくなります。

キャブ車の定番トラブルとしては、スロージェットの詰まりが原因でアイドリング不安定や低速域のボコつきが起こるケースが多く見られます。とくにホーネット250はスロットルレスポンスが鋭いため、微細な汚れでも影響が出やすい構造です。

しばらくキャブのオーバーホールをしていない場合は、ガソリンの酸化や劣化したOリングが原因で燃料供給に偏りが出ている可能性があります。

キャブレターに問題がない場合でも、エアクリーナーの目詰まりや吸気系の二次エア吸い（インシュレーターの亀裂など）で不具合が出ることもあります。

たとえば、エアクリーナーの清掃を何年もしていない場合、吸気効率が著しく下がり、燃料との空燃比バランスが崩れてボコつく原因になります。

燃料ホースの劣化やタンクのサビによるフィルター詰まりなど、ガソリンの供給に支障が出ているケースもあります。とくに長期保管後のトラブルでは以下の点も確認しておきましょう。

たとえば、一度エンジンを高回転まで回すと症状が消えるが、しばらくすると再発する場合は、燃料供給不足によるパーシャル域の燃焼不良が疑われます。

あまり知られていませんが、サイレンサー内部のカーボン詰まりやバッフルの損傷も、低速トルクに影響を与えることがあります。社外マフラー装着車でバッフルを外している場合などは排圧不足による不調も起こりえます。

一例として、ノーマルマフラーに戻すことで症状が改善したケースも報告されています。

低速域でのボコつきや加速不良は、点火系、キャブレター、吸気・燃料・排気系といった複数の要素が絡み合って発生する場合があります。プラグ交換済みでも油断せず、総合的な点検と消去法による原因特定がカギです。

ホーネット250はメンテナンス次第でまだまだ快調に走れる名車です。症状が改善しない場合は、無理に走行せず、バイクショップにてプロの診断を受けることも選択肢に入れてみてください。