かつては多くの車で標準的だった7インチサイズの2DINナビ。しかし最近では、新車でこのサイズのナビが取り付けられない、あるいは対応していない車種が増えているという声も聞かれます。この記事では、なぜ新型車で2DINナビの装着が難しくなってきているのか、背景や今後の流れについて詳しく解説します。
そもそも2DINナビとは?
2DINとは、カーオーディオの規格の1つで、縦100mm × 横180mmの開口サイズのことを指します。一般的な7インチナビやディスプレイオーディオの多くはこのサイズに該当し、昔から市販のカーナビを後付けする際の標準規格として広く普及してきました。
市販ナビを自由に選べる点でメリットがありましたが、現在は新車でこの2DINスペースを持たない車種が増加傾向にあります。
最近の新車が2DIN非対応になってきた理由
一番の理由は、メーカー純正の大型ディスプレイ搭載が標準化されてきていることです。2020年代以降、多くの新型車では9インチ〜12インチクラスのワイド画面やフローティングタイプのモニターを標準装備、またはオプションで選択できるようになりました。
これにより、従来の2DINスペースを持たないデザイン(インパネ一体型、縦長ディスプレイなど)が主流となり、後付けの2DINナビが物理的に取り付けられない構造が増えています。
メーカー純正ディスプレイオーディオの普及
トヨタや日産、ホンダなど各社とも、純正ディスプレイオーディオを搭載するモデルが増えています。これらはAndroid AutoやApple CarPlayに対応し、スマートフォンと連携することでナビ機能をスマホアプリに委ねる設計です。
この動きにより、従来の「カーナビを買って取り付ける」という考え方から、「車載システムとスマホで完結させる」方向へシフトしているのが現状です。
2DIN対応の新車はまだある?
一部の軽自動車や商用車、旧型ベースの継続販売モデルでは、今でも2DINサイズに対応したダッシュボード設計が残っています。たとえば、スズキ「エブリイ」やダイハツ「ハイゼット」などの実用車種では、依然として2DINスペースを確保しているモデルが存在します。
また、カスタムベースとして人気のある一部SUVやコンパクトカーなども、2DIN対応設計が残る可能性がありますが、年々減少傾向にあります。
2DINが使えない車種の対処法と選択肢
もし2DINスペースがない車種で市販ナビを使いたい場合、以下のような代替策があります。
- 専用取付キット:一部の車種では社外品で2DIN化できるキットが販売されています
- フローティングナビ:パネル外に画面を張り出すことで2DIN未対応車でも装着可能な製品も
- スマホホルダー+ナビアプリ:ディスプレイオーディオの無い車種でも、スマホだけで対応可能
ただし、ステアリングスイッチ連携やバックカメラ、車両情報との連動を求める場合は、純正オプションのほうがスムーズな場合もあります。
まとめ:2DINナビは減少傾向だが、完全に消えるわけではない
現在の新型車市場では、インパネデザインの進化やスマホ連携の普及によって、従来の2DINナビが搭載できない車が確実に増えています。しかし、完全に消えるわけではなく、軽・商用車などでは一定の需要が残る見込みです。
今後ナビの選び方は、「ナビ単体で考える」のではなく、「車とスマホをどう連携させるか?」という視点がより重要になるでしょう。
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