BMW Z4と共通のプラットフォームを持つトヨタ・スープラ(A90/A91型)では、コーディングツール「BimmerCode(ビーマーコード)」を用いることで様々な設定変更が可能です。特に人気のカスタマイズが「スポーツモードでのエンジン始動」ですが、設定によっては意図しない動作をすることもあります。本記事では、その原因や正しい設定手順、さらにはBimmerLinkを併用したバルブ制御についても詳しく解説します。
ビーマーコードの「オートスタートストップ機能メモリ」は関係ある?
多くのユーザーが混同しがちですが、「オートスタートストップ機能メモリの有効化」はエンジンの自動停止機能のON/OFFを記憶する設定であり、スポーツモードの記憶とは無関係です。スポーツモード記憶には別のコーディング項目が必要となります。
スープラでスポーツモードを維持するには、「Drive Mode Memory」や「Driving Experience Control」などの項目がBimmerCodeのExpert Modeに存在している場合、それを「active」や「enable」に変更する必要があります。
スポーツモードが維持されない理由
一時的にスポーツモードでエンジン始動できても、運転席のドアを開けるなどの操作後にノーマルモードに戻ってしまう場合、それはECU側が「車両の状態をリセット」しているためです。
特にスープラはBMWベースの仕様により、「ドアを開ける=運転終了」と判断され、設定がリセットされる設計となっている可能性があります。この挙動はソフトウェア上の仕様であり、完全な記憶はBimmerCode単体では困難です。
BimmerLinkで常時バルブオープン設定は可能か?
スポーツモードによる走行性能だけでなく、エキゾーストサウンドを楽しみたいユーザー向けに「BimmerLink」でバルブを常時開放する設定も可能です。具体的には「エキゾーストフラップ制御」から「常時開」にすることで、スポーツモードと同等以上のサウンドを得ることができます。
ただし、この設定はOBD接続時に有効になるため、毎回接続が必要なケースや、BimmerLinkのバージョンによっては一部車種で動作が安定しないこともあります。事前に対応状況を確認しましょう。
実例:スポーツモード記憶のコーディング体験談
実際にA90スープラを所有しているユーザーの例では、以下のような設定でスポーツモードの維持を試みたとの報告があります。
- 「Drive Mode Memory」→ enabled
- 「Driving Experience Control」→ active
- 「エコプロ機能」→ off
結果として「ドアを開けない限りはスポーツモードが維持される」が、「ドアを開けるとリセットされる」とのことでした。これはハードウェアの制御ロジックに起因するため、コーディングだけでは限界があるようです。
設定がうまくいかない場合の対処法
コーディング変更後に期待通りの動作をしない場合は、以下の点を再確認しましょう。
- Expert Modeで正しい項目を設定しているか
- 設定後に車両を完全に再起動しているか
- アプリや車種のバージョンに互換性があるか
また、誤設定によってエラーが出る可能性もあるため、必ずバックアップを取った上で変更を行うことをおすすめします。
まとめ:完全常時スポーツモード化には限界もある
スープラで「常時スポーツモード起動」を実現するには、BimmerCodeの設定だけでなく、車両の制御仕様も理解する必要があります。完全な記憶は難しいものの、「ドアを開けなければスポーツモード維持」は可能であり、サウンド強化にはBimmerLinkの併用が有効です。
コーディングを行う際は、各設定の意味を理解した上で、慎重に進めましょう。趣味と実用性を兼ねた快適なカーライフのために、ぜひ参考にしてください。
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