規制前ライブディオZXをカスタムする際に人気のあるI Power Racing製チャンバー。特に、エンジンをフルリフレッシュしてからの装着では、パフォーマンスを最大限に引き出すためのセッティングが重要です。この記事では、ウエイトローラー(WR)とメインジェット(MJ)の初期設定の目安や、セッティングの考え方について詳しく解説します。
エンジン構成から考えるセッティングの出発点
今回の構成は以下の通りです。
- 規制前ライブディオZX
- 新品クランク&ベアリング、ピストン
- キタコ ハイスピードプーリー
- 赤箱CDI
- 純正エアクリーナー
- I Power Racingチャンバー
この構成では、吸排気系はノーマル寄りながら、排気効率の向上が期待できるチャンバーが加わることで、高回転寄りのセッティングが求められます。
ウエイトローラーの初期セッティング目安
ウエイトローラーの重さは加速性能と最高速のバランスに大きく影響します。I Power Racingチャンバーは回転数を引き上げる特性が強いため、WRの重さは5.0g〜5.5g程度(3個×2組)から試すのがセオリーです。
軽すぎると回転ばかり上がって進まない「空回り」状態になり、重すぎると吹けが鈍くなってしまいます。加速重視なら4.5g程度から試し、最高速を狙うなら6.0g寄りで微調整していきましょう。
メインジェットの初期セッティング目安
チャンバーの変更により排気量に見合った吸気量の増加が求められるため、メインジェットは純正より10番〜15番程度アップから始めるのが一般的です。具体的には、MJサイズを#90〜#95前後からセッティングスタートすると安定しやすいでしょう。
プラグの焼け色を確認しつつ、白すぎれば番手を上げ、黒すぎれば番手を下げて調整していきます。
セッティングを始める上での注意点
いきなりベストセッティングに到達することは難しいため、ステップを踏んで調整することが大切です。セッティングの基本は以下の通り。
- WRの調整は0.25g〜0.5g単位で実施
- MJの調整は5番刻みで変更
- セッティング時はプラグの焼けをこまめに確認
- スロープや加速時の挙動にも注目
セッティングが極端にズレているとエンジンに負担がかかるため、エンジン保護の観点からも慎重な確認が重要です。
よくある失敗例とその対策
ありがちな失敗の一つが「WRを軽くしすぎて高回転ばかりになり加速が鈍る」というケースです。チャンバーの効き始めの回転域を意識しながら、実走を重ねて調整しましょう。
また、「MJが小さすぎてプラグが焼け気味→焼き付き」などのトラブルも起きやすいため、まずは濃い目(安全側)から攻めていくのが鉄則です。
まとめ:カスタムは試行錯誤が楽しさの鍵
ライブディオZXのセッティングは、パーツの組み合わせや環境によりベストな数値が異なります。I Power Racingチャンバーに限らず、WRやMJの調整はあくまで「目安」であり、実走による微調整が欠かせません。
セッティングに迷った時は「安全側からスタートして徐々に詰めていく」という基本を大切に、自分だけの最適解を見つけていきましょう。試行錯誤こそが、カスタムの醍醐味です。
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