週末の伊豆や箱根などで、大型バイクが“ユージ溝(U字溝)”にはまって立ち往生している光景を目にしたことがあるライダーも多いでしょう。これは決して珍しい事故ではなく、特定の条件が重なることで起きやすいものです。この記事では、マスツーリング中のU字溝事故の原因や予防策について、実例を交えて詳しく解説していきます。
ユージ溝とは?ライダーが警戒すべき理由
U字溝とは、道路脇の雨水排水用の溝で、コンクリート製の構造が多く、深さがあるため二輪車のタイヤがはまりやすい構造です。特にバイクの前輪が落ち込むと、ハンドルを取られて転倒や立ちゴケの原因になります。
マスツーリング中は路肩によった瞬間に溝があることに気づかず、無意識に進入してしまうケースも多いのが実態です。
ながら運転だけが原因ではない?事故が起きる4つの背景
- ① 集団走行による注意力の分散
- ② 高齢ライダーの視力・反応力の低下
- ③ 道路設計の古さと視認性の悪さ
- ④ 車体のサイズと取り回しの難しさ
例えば、ベテランライダーが乗るCB1300やゴールドウイングといった重量級の車体は取り回しに難があり、少しの判断ミスで簡単にU字溝に落ちるリスクがあります。
ユージ溝にハマらないための対策とは?
最も重要なのは「路肩に寄らない」意識です。集合時や休憩時など、なるべくアスファルト上に停車し、溝の位置を確認してから進入する習慣をつけましょう。
また、「U字溝カバーがある=安全」とは限りません。カバーのズレや劣化でタイヤがはまり込むリスクもあります。できるだけ中央寄りにライン取りをすることも有効です。
万が一U字溝にはまったときの対応
まず慌てないこと。セルフで持ち上げようとせず、可能であれば同行者の助けを借りて後輪側からゆっくり引き上げましょう。エンジンは切り、クラッチとブレーキを使って挙動をコントロールするのが基本です。
また、保険やロードサービスの番号を事前に登録しておくと、万一のトラブルにもすぐ対応できます。
高齢ライダーにとっての注意点
ライダーの高齢化が進む中で、反応速度や視認力の低下は避けられない課題です。特にツーリング中は疲労も蓄積されるため、短距離ごとに休憩をとることも安全策になります。
また、ナビやインカムなどのガジェットに頼りすぎず、「自分の目で路面を確認する」という意識が事故防止には不可欠です。
まとめ|マスツーは楽しく、安全に
マスツーリング中にU字溝にはまる事故は、決して油断できないリアルなリスクです。ながら運転だけでなく、視野の狭さやバイクの特性、道路環境など様々な要因が重なって起きます。
安全に楽しむためにも、「路肩は敵だ」と思うくらいの慎重さを持って臨むことが、ツーリングを事故ゼロで終える最大の秘訣です。
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