残クレ(残価設定ローン)は売る側もリスク?販売の仕組みと回収トラブルの実態を解説

新車

近年、自動車の購入方法として広まっている「残クレ(残価設定ローン)」。月々の支払額を抑えられるメリットがある一方で、「金融リテラシーの低い人を狙った商品ではないか?」という疑問の声もあります。この記事では、残クレの仕組みと、売る側(ディーラーや信販会社)にとってのリスクについて詳しく解説します。

残クレの仕組みをおさらい

残クレは、契約時にあらかじめ車両の将来価値(残価)を設定し、その残価を除いた金額をローンとして分割で支払う仕組みです。契約期間終了時には、次の3つの選択肢から選べます。

  • 残価を支払って買い取る
  • 車を返却して契約終了
  • 新車に乗り換えて再契約

このように、ローンの支払い総額は抑えられる反面、残価を保証する条件として返却時の車の状態や走行距離の制限がある点に注意が必要です。

「支払い能力の低い人」にも販売される理由

月々の支払いが比較的安く設定できるため、残クレは「所得が低い人」や「ローンが組みにくい人」にも販売しやすい傾向があります。しかし実際には、自動車ローンの審査は厳格に行われており、一定の信用情報や安定収入がないと審査は通りません

販売する側も「支払能力のない人」に無理に売ることはできず、リスクを見越して保険や保証もセットで提案することが一般的です。

回収不能リスクは本当にあるのか

販売する側にとって、確かにローン未払いによるリスクは存在します。ただし、残クレは「所有権留保付きローン」であることが多く、車の所有権は信販会社やディーラー側にあります。つまり、未払いが発生した場合は、車両の引き上げ(差押え)を行うことができます。

また、自動車ローンは信用情報に記録されており、返済遅延や滞納はすぐに金融機関に知られます。逃げ得は難しく、むしろ信用を失いローンが組めなくなるなどの不利益が大きくなります。

「車をボコボコにして返却」などのトラブルは?

車両を損壊した状態で返却した場合、残価保証の条件に違反することになります。そのため、返却時に修理費用の請求や残価の減額が発生することがあります。

たとえば、「走行距離超過」「事故による修復歴」「改造」などは、査定で大きなマイナス要因となります。これらの条件は契約書に明記されており、返却時にチェックされます。

売る側のリスクマネジメント

ディーラーや信販会社は、回収不能リスクを避けるために以下の対策を講じています。

  • 厳格なローン審査
  • 所有権の保持
  • 信用情報機関への照会
  • 残価保証制度の条件明記

そのため、たとえ金融リテラシーが低い購入者でも、契約内容に同意し、審査に通っている限り、売る側が一方的に損を被る可能性は極めて低いです。

まとめ:残クレは両者にメリットがあるが、条件を理解することが重要

残クレは「アホな人向けの売り方」ではなく、適切な説明と理解を前提とした契約形態です。売る側にもリスク管理の仕組みが整っており、無理な販売をすれば自らの信用にも関わります。

購入者としても、月々の支払いだけで判断せず、契約の全体像を理解した上で利用することが、損をしないための鍵となります。

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