2サイクルオイルの摩擦試験で回転が止まる理由と潤滑性の違いについて

車検、メンテナンス

2サイクルオイルの摩擦試験で回転がすぐに止まる理由とは?

ある動画で、鉄パイプに鉄バンドを押し付ける自作テスターで4サイクルオイルと2サイクルオイルの摩擦試験を行ったところ、4サイクルオイルでは5分以上回るのに対し、2サイクルオイルでは1分以内に回転が重くなり止まってしまったという結果が報告されています。これは、2サイクルオイルと4サイクルオイルの潤滑性に違いがあることを示唆していますが、具体的な理由について解説します。

4サイクルオイルと2サイクルオイルの違い

まず、4サイクルオイルと2サイクルオイルの基本的な役割の違いを理解することが重要です。

  • **4サイクルオイル**: エンジン内部で長期間使用され、エンジンパーツの摩耗を防ぐための潤滑性が非常に高く設計されています。4サイクルオイルはエンジン内で循環し続けるため、酸化や劣化に強い添加剤が含まれています。
  • **2サイクルオイル**: 2サイクルエンジンは構造が異なり、燃焼過程でオイルが消費されます。そのため、燃焼しやすく、残留物が少ないように設計されていますが、潤滑性の持続時間は4サイクルオイルに比べて短くなります。

摩擦試験で回転が止まる理由

この摩擦試験で2サイクルオイルが短時間で回転が止まってしまう理由は、2サイクルオイルが燃焼を前提とした設計であり、潤滑性が短時間で劣化するからです。具体的には、以下の要因が影響しています。

  • **燃焼性の高い設計**: 2サイクルオイルは燃焼しやすくするために、潤滑性よりも燃焼性に重点を置いています。そのため、長時間の摩擦を伴うテストには向いていません。
  • **潤滑持続性の違い**: 4サイクルオイルはエンジン内で長時間の潤滑を目的としていますが、2サイクルオイルは比較的短期間の潤滑で燃焼することを前提にしているため、摩擦試験では短時間で潤滑性が劣化しやすくなります。
  • **混合油の影響**: ガソリンと混合することで潤滑性がさらに低下し、摩擦テストのような条件下では回転が早く止まる結果となります。

2サイクルオイルの潤滑性が低いわけではない

今回のテスト結果は、2サイクルオイルが4サイクルオイルに比べて潤滑性が低いと誤解されがちですが、実際には用途が異なるため、それぞれのオイルが持つ特性も異なります。2サイクルオイルはその特性上、2サイクルエンジンに適した潤滑性を発揮しますが、長時間の摩擦試験には適していないというだけのことです。

まとめ

2サイクルオイルが摩擦試験で短時間で回転が止まってしまうのは、そのオイルが燃焼を前提とした設計だからです。4サイクルオイルに比べて潤滑性が劣るわけではなく、エンジン内での役割が異なるため、摩擦試験での結果が異なることは自然なことです。用途に応じたオイルを選ぶことで、エンジンの性能を最大限に引き出すことができます。

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