バルクヘッド貫通式ロールバーは車検に通るのか?構造変更のポイントと注意点を解説

車検、メンテナンス

ロールバーの装着はサーキット走行や安全性向上のために多くのユーザーが検討するカスタムの一つです。その中でも「バルクヘッド貫通式ロールバー」は、前後の剛性を高める構造として人気がありますが、構造が特殊なため、車検対応や構造変更の必要性などの疑問が付きまとうことも。この記事では、実際の保安基準や公認手続きの観点から詳しく解説します。

バルクヘッド貫通式ロールバーとは

バルクヘッド貫通式とは、ロールバーがエンジンルーム側またはキャビンの前部バルクヘッドを貫通して取り付けられる構造を指します。前後の一体構造により高い剛性を実現でき、特に競技車両で採用されるケースが多くなっています。

一般的な6点式や7点式のロールバーよりも固定ポイントが多く、車体の捻じれを抑える効果がある一方で、ボディへの加工や穴開けが必要となるため、法的な側面では注意が必要です。

車検に通る条件とは?

ロールバーを装着する際に車検に通すためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 乗車定員の変更に応じた「構造変更申請」
  • 車室内でのパッド巻き処理(直径40mm以上のクッション材推奨)
  • ドライバー・同乗者の安全性確保(頭部・胸部との距離の確保)

バルクヘッドを貫通させた場合、その貫通部が防火壁を兼ねる構造となるため、気密性の保持やシーリング処理も重要です。これが不完全だと、車検で不合格となる可能性があります。

構造変更の必要性とその理由

モノコック構造に対して溶接や穴開けを伴うロールバーの取り付けは、一般に「車両構造の変更」に該当するとされ、陸運局での構造変更申請が必要になります。

特にバルクヘッドを貫通するような設置方法は、車両強度や安全性能に直接関わるため、公認を取得せずに車検を通すのは困難です。2名乗車への定員変更と併せて、継続検査前に申請するのが一般的です。

実例:公認取得済みのケースとNG例

あるスポーツカーオーナーは、バルクヘッド貫通式のロールバーをボルト止めで設置し、2名乗車へ定員変更とともに構造変更検査を受けて合格しました。この際、ロールバーの図面や写真を用意し、施工方法の説明が求められました。

逆に、DIYで無申請のまま取り付けたユーザーが継続検査時に指摘を受け、車検不適合とされるケースもあります。とくに、シーリング不備や鋭利なエッジの処理不足が原因になることが多いです。

公認取得に必要な手続きと準備書類

構造変更を伴うロールバー装着の場合、以下の書類・準備が必要です。

  • 改造概要書(構造・取り付け方法の記載)
  • 改造後の車両寸法・重量の変更点
  • 施工写真や設計図(施工前・途中・完成後)
  • 整備工場での施工証明(必要に応じて)

これらを基に、最寄りの運輸支局で構造変更の申請を行い、現車検査を受けることで正式な公認が取得できます。

まとめ:安全・合法にロールバーを取り付けるには

バルクヘッド貫通式ロールバーは高剛性で魅力的なカスタムですが、車検対応のためには必ず構造変更の申請が必要です。モノコックの加工を伴うため、保安基準や安全性を満たした施工が求められます。

DIYでの取り付けでも、事前に陸運局へ相談し、公認取得の準備を進めれば合法的に使用できます。確実に車検を通すためには、書類作成と安全対策を怠らないようにしましょう。

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