普通二輪の第一段階みきわめはスラローム8秒でも通る?急制動・一本橋など合格目安と対策を解説

運転免許

普通二輪免許の教習で第一段階の最後に行われる「みきわめ」が近づくと、「スラロームが8秒ぎりぎり」「急制動が毎回成功するわけではない」という状態で第二段階へ進めるのか不安になることがあります。

まず押さえておきたいのは、第一段階のみきわめは卒業検定そのものではないという点です。指定自動車教習所では法令に定められた教習課程に沿って技能教習が行われ、第一段階で習得すべき基本操作・バランス・制動などについて、次の段階へ進める程度に身についているかを指導員が確認します。

一方、普通二輪の技能課題として一般的な目標は、スラローム8秒以内、一本橋7秒以上、急制動は40km/hから乾燥路面で11m以内、湿潤路面で14m以内です。したがってスラロームで8.0秒を出せているなら、少なくとも卒業検定で使われる目標タイムには到達している水準です。

急制動についてはタイム競技ではなく、指定速度まで適切に加速し、制動開始地点から安全かつ確実に停止できることが大切です。成功率が五分五分であれば改善余地はありますが、それだけで第一段階のみきわめが絶対に通らないとはいえません。本記事では、みきわめで何を見られるのか、各課題の具体的な目安、スラロームと急制動を安定させるポイントまで整理します。

※教習所ごとに教習コースや指導方針、みきわめ時の判断方法には多少の違いがあります。最終的には担当指導員の判断が優先されます。

第一段階の「みきわめ」は卒業検定とは違う

普通二輪教習の第一段階では、発進・停止、ギア操作、ブレーキ操作、直線・曲線でのバランス、一本橋、S字、クランク、スラロームなど、二輪車を安全に扱うための基本技能を習得します。

警察庁が示す普通二輪免許の技能教習標準でも、第一段階では「安全かつ円滑で確実な制動」「直線路を安全にバランスをとって走行」「曲線路を安全にバランスをとって走行」などが教習内容として定められています。

そのため第一段階のみきわめでは、「全部の課題で卒業検定レベルの完璧な数字を毎回出せるか」というより、基本操作が身につき、第二段階で法規走行などの応用教習へ進める状態かを総合的に見られると考えると分かりやすいでしょう。

[参照] 警察庁「普通二輪免許に係る技能教習の標準」

普通二輪の課題タイム・距離の目安

普通二輪の技能検定でよく意識される代表的な基準を整理すると、次のようになります。

課題 普通二輪の目安 重要ポイント
スラローム 8秒以内 パイロンへ接触せず安定して通過
一本橋 7秒以上 脱輪せず最後まで渡る
急制動 40km/hから停止 乾燥11m以内、湿潤14m以内
クランク タイムなし 接触・足つきせず安定して通過
坂道発進 タイムなし 後退せず円滑に発進

福岡県公安委員会指定の福岡県自動車学校でも、普通二輪についてスラローム8秒以内、一本橋7秒以上、急制動40km/hという課題基準を案内しています。

したがって、スラロームで最高8.0秒なら「全然できていない」という状態ではありません。むしろ目標値そのものには一度到達しています。

[参照] 福岡県自動車学校「普通二輪の課題」

スラローム8.0秒ならどのくらいのレベル?

普通二輪のスラローム目標は8秒以内なので、8.0秒で通過できているならタイム面では基準ラインです。

ただし一度だけ8.0秒を出せた場合と、毎回8.0~8.5秒程度で安定して通過できる場合では評価が少し異なります。みきわめで大切なのは、一発だけ速く走ることよりも、パイロン接触や転倒をせず安定して走れることです。

例えば無理に7.5秒を狙ってパイロンへ接触するより、8.2秒でも安全かつスムーズに通過できるほうが、第一段階の習熟度という意味では良い走りになる場合があります。

8.0秒を一度出せているなら、スラロームそのものを過度に心配するより「8秒前後を安定して出せること」を目標にするほうがよいでしょう。

スラロームではタイムよりパイロン接触を避ける

スラロームを速くしようとすると、アクセルを大きく開けたり、車体を必要以上に寝かせたりしたくなります。しかし教習段階では、タイムを縮めるために無理をするとかえって失敗しやすくなります。

ヤマハ発動機はスラロームのポイントとして、目線を一つ先のパイロンへ向けること、頭の軸をぶらさずニーグリップすること、車体の向きが変わるタイミングでアクセルを開けて車体を立て直すことなどを挙げています。

特にありがちな失敗は、目の前のパイロンだけを見続けることです。人は見ている方向へ進みやすいため、パイロンを凝視すると接触しやすくなります。

「次のパイロンのさらに出口側を見る」「曲がったら軽くアクセルを使って車体を起こす」というリズムを作ると、タイムを意識しすぎなくても自然に8秒へ近づきます。

[参照] ヤマハ発動機「スラロームをスムーズに通過するために」

8秒を縮めるなら「入口」で急がない

スラロームでは最初から速い速度で突っ込めばタイムが縮むわけではありません。進入速度が高すぎると最初のパイロンでラインが崩れ、後半で大きく減速することになります。

それよりも、最初のパイロンへ余裕のあるラインで入り、切り返しのリズムを崩さないほうが結果的に速くなります。

例えば「曲がる→車体の向きが変わる→軽くアクセル→アクセルを戻して次へ」という一定のテンポを作ります。

7秒台を出そうと力む必要はありません。普通二輪なら7.8~8.2秒程度で安定して、接触なしくらいを目標にしておけば十分実用的です。

急制動が五分五分なら、こちらを優先して練習したい

現在の状態で一番改善したいのは、スラロームより急制動でしょう。急制動は安全運転に直結する技能なので、指導員も「たまたま止まれた」ではなく、安定して操作できるかを重視します。

普通二輪では40km/hの指定速度から、乾燥路面で11m以内、湿潤路面なら14m以内を目安として停止します。

重要なのは、制動開始地点へ到達してから慌ててブレーキ操作を考えるのではなく、開始地点までに40km/hへ到達し、車体を直立・安定させ、ブレーキを掛ける準備を終えておくことです。

成功率が半分程度なら、「ブレーキが下手」というより、進入時の速度作りやブレーキ開始地点の認識が安定していないケースも多くあります。

急制動は「ブレーキ開始線で40km/hにする」課題ではない

急制動でよくある失敗が、制動開始線の直前まで加速を続けることです。

例えば開始線の1m手前でようやく40km/hに達すると、その直後にアクセルを戻し、前後ブレーキを掛けなければならないため操作が慌ただしくなります。

そこで、開始線より十分手前で40km/h以上の指定速度へ到達し、その後は速度を安定させて開始線へ入ります。開始線に差しかかったらアクセルを完全に戻し、前後ブレーキを使います。

この方法なら「40km/hになったかな?」とメーターへ視線を落としたまま制動地点へ入ることを避けられます。教習所ごとの指導方法があるため、具体的な加速位置については担当指導員の指示を優先してください。

急制動ではブレーキを早く握りすぎてもいけない

逆に不安のあまり、制動開始線より前からブレーキを掛けてしまうケースもあります。

急制動では指定された位置から制動する技能を見るため、開始線より前で明確に減速すると課題の目的を満たせません。

コツは「線を見てからブレーキを考える」のではなく、開始線より前からブレーキレバーとペダルを操作できる姿勢を作っておき、前輪が開始地点へ入るタイミングで操作することです。

最初はタイミングがずれることがありますが、同じ速度・同じラインで何度も入ると自然に目印と動作が結びつきます。

前ブレーキは一気に握り込まず、荷重を作って強くする

急制動という名称から「ブレーキレバーを一瞬で全力握りすればよい」と考えるのは危険です。

急に前輪へ強いブレーキ力を掛けると、タイヤが路面を十分に捉える前にロックする可能性があります。特に雨天時や砂などがある路面では危険です。

基本は、前ブレーキを掛け始めて前輪へ荷重が移ったあと、必要な制動力まで素早く強めるイメージです。同時に後輪ブレーキも使用します。

教習車によってABSの有無も異なるため、「ABSがあるから思い切り握ればよい」と考えず、指導員から習った前後ブレーキ操作を再現することが大切です。

急制動中はクラッチを早く切りすぎない

急制動では、開始直後からクラッチを握ってしまう人もいます。するとエンジンブレーキを利用できなくなり、操作も増えます。

一般的にはアクセルを戻して前後ブレーキを使い、停止直前にエンストを防ぐためクラッチを切る流れになります。

ただし教習所・教習車によって指導される操作手順に違いがあり得るため、ここも担当指導員の方法を優先してください。

大切なのは、制動開始線へ入ってから「ブレーキ、クラッチ、ギア、メーター」と一度に多くのことを考えないことです。急制動前までに速度と姿勢を完成させれば、開始後はブレーキへ集中できます。

一本橋が余裕なら大きな強みになる

普通二輪の一本橋は7秒以上が目標です。一本橋を安定して渡れるのであれば、低速時のクラッチ、リヤブレーキ、バランス、目線など基本操作がかなり身についていると考えられます。

一本橋では時間を伸ばすこと以上に、まず脱輪せず最後まで渡り切ることが大切です。

例えば毎回8~9秒で安定して渡れるなら、第一段階のみきわめに向けて無理に10秒、12秒を狙う必要はありません。

スラロームと違い一本橋は「遅く」という課題ですが、どちらも視線とニーグリップ、安定した車体操作が共通しているため、一本橋が得意なのは基本的なバランス能力が身についている材料になります。

クランクと坂道発進が安定しているのもプラス材料

クランクでは低速の速度調整と車体の向きを変える操作が必要です。パイロンへ接触せず、足を着かず安定して通れるなら低速操作はかなりできています。

坂道発進でも、クラッチの半クラッチ位置、アクセル、リヤブレーキの組み合わせが必要です。こちらが問題なくできているのであれば、クラッチ操作も大きく崩れてはいないでしょう。

したがって、一本橋・クランク・坂道発進が安定していて、スラロームも8秒程度で走れる状態なら、第一段階全体としてはかなりの項目を習得できています。

残る不安が急制動中心なら、みきわめ前の教習では急制動の「40km/hを作る位置」と「制動開始のタイミング」を重点的に確認するのが効率的です。

みきわめでは一回失敗したら即終了とは限らない

卒業検定では採点基準に従って走行しますが、第一段階のみきわめはそのための技能検定ではありません。

そのため、一度スラロームが8秒を少し超えた、一本橋が目標時間より短かった、といったことだけで機械的に不合格になるものではありません。

指導員はそれまでの教習状況も含めて、基本操作を理解し、安全に走行でき、第二段階の教習へ進める状態かを判断します。

ただし、急制動で毎回ブレーキ開始位置を間違える、スラロームで何度もパイロンへ接触する、基本的な安全確認ができないといった場合には、追加教習になる可能性があります。

卒業検定ではタイムを少し外しても即不合格とは限らない

今後の卒業検定を考える際にも、「8.01秒なら即不合格」というイメージを持つ必要はありません。技能検定は基本的に減点式で行われます。

例えばスラロームでは基準時間を超えれば減点対象になりますが、パイロン接触など重大なミスとは扱いが異なります。そのためタイムを無理に縮めようとして接触するより、安全に通過するほうが重要です。

一本橋についても、目標の7秒をわずかに下回ることより、途中で橋から落ちるほうが問題は大きくなります。

検定では「各課題を完璧な数字でクリアするゲーム」ではなく、安全確認や基本操作を含めた運転全体で評価されると考えるとよいでしょう。

みきわめ前の現実的な目標を設定する

現在の技能状況を前提にすると、次のような目標を設定すると分かりやすいでしょう。

課題 みきわめ前に狙いたい状態
一本橋 時間を欲張らず毎回落ちずに渡る
クランク 接触・足つきなしを安定させる
坂道発進 後退・エンストなく発進
スラローム 8秒前後、接触せず安定
急制動 開始位置と40km/h到達を安定させる

この中でスラローム8.0秒はすでに十分良い数字です。7秒台へ縮めることより再現性を上げるほうが優先です。

急制動は成功率五分五分とのことなので、残った練習時間を使うなら、ここを「10回やれば8~9回同じ操作ができる」程度へ近づけることを目指すと安心です。

急制動を安定させる簡単な手順

急制動で頭の中が忙しくなる場合は、動作を段階に分けると整理できます。

  1. 十分手前から加速する
  2. 制動地点より前に指定速度を作る
  3. 車体を直立させ、正面を見る
  4. 開始地点でアクセルを戻して前後ブレーキ
  5. 停止直前に必要なクラッチ操作を行う
  6. 停止するまで視線を前方へ保つ

特に「開始地点までに速度を完成させる」と「ブレーキ開始後はメーターを見ない」の2点を意識すると、操作に余裕が出やすくなります。

ただし具体的なクラッチ操作やブレーキ配分は教習所で習った方法を優先してください。

緊張すると普段できる課題まで崩れるので、100点を狙わない

みきわめ前になると、「絶対8秒を切らないと」「一本橋は8秒以上」「急制動は完璧に」と考えて、普段より身体に力が入ってしまうことがあります。

二輪車では身体が硬くなるとハンドル操作やバランスが悪くなるため、技術的にはできる課題でも失敗しやすくなります。

特にスラロームは肩と腕へ力を入れるほど車体を切り返しにくくなります。肘を少し緩め、ニーグリップで下半身を安定させるほうが走りやすくなります。

みきわめでは「教官に上手さを見せる」という意識より、これまで教わった操作をいつも通り繰り返すくらいの感覚のほうが結果的に安定します。

もしみきわめが通らなくても「免許に向いていない」わけではない

第一段階のみきわめで追加教習になったとしても、それは技能試験に落ちたという意味ではありません。

指導員が「もう少し急制動を安定させてから第二段階へ進んだほうが安全」と判断すれば、追加で練習することがあります。それは免許取得までの安全性を高めるための仕組みです。

むしろ第二段階ではコース走行、安全確認、法規走行など同時に考えることが増えるため、第一段階の基本操作を固めておいたほうが後が楽になります。

追加教習になった場合も、苦手な項目だけを指導員と確認できる時間が増えたと考えればよいでしょう。

まとめ|スラローム8.0秒なら十分射程内。急制動の再現性を上げてみきわめへ

普通二輪の第一段階のみきわめは卒業検定そのものではなく、第一段階で学んだ基本操作が身につき、第二段階へ進める状態かを指導員が総合的に確認するものです。

普通二輪の技能課題では、スラローム8秒以内、一本橋7秒以上、急制動は40km/hから乾燥路面11m以内・湿潤路面14m以内が代表的な目安です。スラロームで8.0秒を出せているのであれば、タイム面ではすでに目標ラインへ到達しています。

さらに一本橋、クランク、坂道発進が安定しているなら、第一段階で必要となる基本操作の多くは身についていると考えられます。スラロームについては無理に7秒台を狙わず、8秒前後でパイロンへ触れず毎回通過できることを優先するとよいでしょう。

現在一番重点的に確認したいのは急制動です。成功率が五分五分なら、ブレーキそのものより、制動開始地点より十分手前で40km/hを作ること、車体を安定させること、開始地点で同じタイミングのブレーキ操作を再現することを意識すると改善しやすくなります。

一本橋・クランク・坂道発進が余裕で、スラロームも8.0秒を一度出せている状態なら、「とてもみきわめを受けられないレベル」と考える必要はありません。急制動がまだ不安定でも、指導員が第二段階へ進める基本技能を備えていると判断すればみきわめを通過する可能性は十分あります。

みきわめ当日はタイムを更新しようとするより、接触しない、転倒しない、確認を忘れない、教わった操作を確実に行うことを優先しましょう。二輪教習では速さより「同じ安全な操作を繰り返せること」が大切です。

[参照] 全日本指定自動車教習所協会連合会「指定自動車教習所とは」

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