バイクのユーザー車検において、意外と多いのがヘッドライト検査での不合格。特に「光軸はOKだったのに光量が足りない」「片方だけ合格して再検査になった」などの混乱を経験するライダーも少なくありません。この記事では、ヘッドライト検査の基本や光軸と光量の関係、落ちた場合の具体的な対処法まで解説します。
光軸と光量、それぞれの意味とは?
光軸とは、ヘッドライトの照射方向が道路交通法に定められた基準の範囲内に収まっているかを確認する項目です。対向車を眩惑させず、かつ前方をしっかり照らすことが求められます。
一方、光量は、ライトが十分な明るさ(カンデラ=cd)を持っているかを測定するもので、一般的に12Vのハロゲンライトなら15000cd以上が合格ラインです。LEDやHIDはそれぞれ規定が異なることもあります。
光軸と光量はなぜ同時に検査できないのか?
車検場では通常、光軸→光量の順に別々に評価します。というのも、検査機器が一度に両方の項目を測れるわけではなく、まず光軸が基準を満たしていないと正確な光量測定ができないためです。
また、光軸がズレたまま光量を測ると本来の明るさが出せず、誤って不合格になることも。つまり光軸が正しく調整されていないと、正確な光量測定ができないのです。
ヘッドライトで不合格になる主な原因
ユーザー車検で光軸や光量に引っかかる原因はさまざまです。
- 光軸がズレている(転倒・整備ミスなど)
- ライトのバルブが劣化している
- リフレクター(反射鏡)が曇っている
- レンズが汚れている・黄ばんでいる
- バッテリー電圧が不安定で照度が下がっている
実例として、CB400SF(NC39)においても、年式や走行距離によってライトユニットの劣化が進んでいる場合があり、見た目は明るくても検査には通らないケースもあります。
車検に通すための具体的な対策
まずはライトバルブを新品に交換し、明るさの基準をクリアできるものを選びましょう。車検対応表記のあるハロゲンや、車検対応LEDバルブを選ぶのが安全です。
次に、光軸の調整は必ず信頼できる整備店やテスター屋で実施しましょう。光量の調整=光軸の再調整が必要になることもあるため、どちらか一方だけを直して再検査に行くと再び不合格になることがあります。
再検査時の注意点
再検査の際には、整備内容をしっかり伝えることが大切です。たとえば「ライト交換済み」「リフレクター清掃済み」「光軸も調整済み」と伝えることで、検査官も適切に対応してくれるケースがあります。
また、検査ラインの混雑を避けるために、午前中早めの時間に行くのがおすすめです。テスター屋を併設している陸運支局の場合は、その場で再調整できることもあります。
まとめ:光軸と光量は連動していることを理解しよう
ユーザー車検では、光軸と光量は別々の項目でありながら、互いに密接に関係しています。片方を直したつもりでも、もう一方に影響が出ることがあるため、再検査前には両方をしっかり確認・整備しておくことが合格への近道です。
特に初めてのユーザー車検では不明点が多いですが、経験を重ねればクリアできる問題ばかりです。事前準備と正確な整備で、安心して車検に臨みましょう。
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