坂道やスピードの出しすぎを抑えるために使われるエンジンブレーキ(通称エンブレ)。ドライバーによっては「車が痛む」「故障の原因になる」といった不安を抱くこともあるようです。この記事では、エンジンブレーキが車に与える影響や、故障のリスクがあるのかどうか、正しい使い方について詳しく解説します。
エンジンブレーキとは何か?
エンジンブレーキとは、アクセルを離すことでエンジン回転が落ち、自然に車のスピードが減速する仕組みです。ブレーキペダルを踏まずに速度を落とせるため、主に下り坂などでのスピードコントロールに用いられます。
マニュアル車ではシフトダウン(例:4速→3速)で積極的にエンジンブレーキを使いますが、オートマ車でもアクセルを離すと自動的にエンジンブレーキがかかります。
エンジンブレーキは車に悪いのか?
結論から言うと、通常の使い方でエンジンブレーキを使用しても車に悪影響はありません。むしろ、過度なフットブレーキ使用を避けられるため、ブレーキの過熱やフェード現象を防ぎ、車の安全性を高めるメリットがあります。
ただし、次のような場合は故障の原因となる可能性もあります。
- 極端なシフトダウン(高回転になりすぎる)
- エンジン回転数を無理に高く保ち続ける
これらは、エンジンやトランスミッションへの負荷となり、結果的に故障を招くリスクとなるため注意が必要です。
エンジンブレーキの適切な使い方
エンジンブレーキを安全かつ効果的に使うには、以下のようなポイントを意識しましょう。
- 坂道では早めにシフトダウン:オートマ車でもマニュアルモードや「L(ロー)」「2」などのレンジを使いましょう。
- 回転数を気にする:シフトダウン時にエンジン回転数が5,000回転以上にならないように注意。
- フットブレーキとの併用:エンジンブレーキだけでは止まりきれないため、ブレーキとの併用が基本です。
たとえば、長い下り坂では「Dレンジ」のまま走り続けるより、「2レンジ」に落としてエンジンブレーキをかけつつ、ブレーキを軽く踏むことで安定した減速が可能です。
エンジンブレーキのメリットとデメリット
エンジンブレーキの主なメリットには以下のような点が挙げられます。
- ブレーキパッドの摩耗を抑える
- 制動時の安定性向上
- エンジン回転による燃料カット(燃費向上)
一方で、過度な使用や誤った使い方には次のようなデメリットもあります。
- ショックが強すぎるとタイヤがロックする(特に雪道)
- トランスミッションに過大な負担がかかる
AT車とMT車でのエンブレの使い方の違い
マニュアル車(MT)では、自分でシフトダウンするタイミングを判断する必要があるため、より高度なテクニックが求められます。一方、オートマ車(AT)は、車が自動でギアを選ぶため、操作は簡単ですが意識して使わなければエンジンブレーキが効きにくい場面もあります。
最近のAT車やCVT車では、パドルシフトやマニュアルモードを搭載しているモデルも増えており、より積極的にエンジンブレーキを活用できるようになっています。
まとめ:正しく使えばエンブレは故障の原因にならない
エンジンブレーキは、正しく使えば車に優しく、安全運転に役立つ重要なテクニックです。極端なシフトダウンや高回転を避け、適切に使うことで、ブレーキの負担を軽減し、車の寿命を延ばすことも可能です。
もし不安な場合は、ディーラーや整備士に相談して、あなたの車に適したエンジンブレーキの使い方を確認してみると安心です。
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