ライブディオZXは人気の原付スクーターで、特に規制前の7.2馬力エンジンはそのパワーからファンも多いです。しかし、チューンを施しても思ったように速度が出ない場合、どこかに原因が隠れているかもしれません。本記事では、実際の症例に近いケースを例に、スピードが伸びない原因と対策をわかりやすく解説します。
まず確認すべき:速度が出ない原因の切り分け
ライブディオZXが70km/h前後で頭打ちになる場合、複数の原因が考えられます。代表的な要因には以下のようなものがあります。
- エンジンの経年劣化(圧縮低下など)
- 駆動系セッティングのミスマッチ
- マフラーや吸気パーツとの相性問題
- 点火系や燃料供給系の不調
ベリアルステルススティンガーのようなチャンバーを入れた場合、本来は高回転での伸びが期待されます。にもかかわらず70km/hで頭打ちというのは、駆動系とのバランスが崩れている可能性があります。
WR(ウエイトローラー)36gは重すぎる?
WRのセッティングは非常に重要です。規制前ZXであれば、駆動系に合わせた適正な重量はおおよそ21g〜27gの範囲が主流です。36gはかなり重く、加速や最高速のバランスを崩す原因になります。
たとえば、WRを30g台にした結果、スタートが鈍く高回転域まで回らないことで、マフラー本来の性能が発揮されず最高速が落ちたという例もあります。
エンジンのヘタリ=圧縮漏れの可能性
規制前のZXエンジンは年月が経っているため、圧縮の低下が起きている可能性もあります。加速が鈍い、エンジン音がこもる、始動性が悪いといった症状があるなら要注意です。
圧縮ゲージで測定し、基準値(通常は8kg/cm²以上)を下回るようなら、ピストンリングやシリンダーの摩耗が疑われます。
他にも見逃しがちなチェックポイント
- クラッチシューの摩耗や汚れ:発進時のトルクが抜ける原因になります。
- ベルトの劣化:伸びていたり亀裂があると、駆動力が伝わらず速度が出ません。
- 点火プラグの消耗:出力が不安定になり高回転で失速することがあります。
こうした箇所を順番にチェックしていくことで、原因が絞り込めてきます。
相性問題にも注意:チャンバー+エアクリ+キャブのバランス
マフラーを変更した際には、必ず吸気系やキャブセッティングも見直す必要があります。特にメインジェットの番手調整がされていないと、燃調が薄くなり、焼き付きのリスクや出力低下につながります。
たとえば、ステルススティンガーを入れてもノーマルジェットのままだと、高速域でガスが追いつかず失速するケースがあります。MJは+5〜+10番程度で調整するのが一般的です。
まとめ:70km/h止まりには理由がある
ライブディオZXがチューン後も70km/h止まりになるのは、駆動系のセッティングやエンジンの状態、吸排気系のバランスなど、複数の要因が複雑に絡み合っている場合が多いです。
WRを軽くして再セッティングしてみる、キャブを調整する、ベルトやクラッチを点検するなど、ひとつひとつチェックしていくことが解決の近道です。
長年乗ってきたマシンだからこそ、正しい知識でメンテナンスを行い、快適なライディングを楽しみましょう。
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