エンジンの調子が悪く、セルを回したときにバックファイヤーやアフターファイヤーが発生した場合、原因としてバルブの擦り合わせ不良が疑われることがあります。この記事では、バルブ擦り合わせの重要性やそれがエンジンの挙動に与える影響について、わかりやすく解説します。
バルブ擦り合わせとは?
エンジンの吸気バルブ・排気バルブとバルブシートの密着性を高める作業が「バルブ擦り合わせ」です。これにより圧縮が安定し、効率的な燃焼が可能になります。
この作業が不十分だと、バルブの密閉性が保てず、圧縮漏れが発生しエンジン性能が低下します。
バルブ擦り合わせ不良が引き起こす症状
- バックファイヤー・アフターファイヤーの発生
- エンジン始動性の悪化
- アイドリング不安定
- 負圧の低下(バキューム計で確認可能)
特にセルを回した直後にマフラーやインテーク側で爆発音がするようなら、バルブの閉じ不良で混合気が逆流している可能性が高いです。
実例:バルブ擦り合わせ不足によるトラブル
あるユーザーの事例では、DIYでオーバーホールを行いバルブ擦り合わせを簡略化。その結果、圧縮不良によりセル始動時にバックファイヤーが頻発しました。バルブシートとの接触面を再研磨・擦り合わせすることで、症状は改善されました。
また別の例では、アイドリング中に負圧が常に低く、燃費が極端に悪化。点火系や燃調に問題がないことから、バルブの密着不良が原因と特定されました。
負圧とバルブ状態の関係
正常なエンジンでは、アイドリング中に40〜60kPa程度の負圧が発生します。しかし、バルブの密着不良があると、吸気時に外気が漏れ込み負圧が下がります。
負圧計での測定結果が安定せず振れている場合も、バルブクリアランスや擦り合わせ状態の確認が推奨されます。
修理・対処法とチェックポイント
- バルブを取り外して目視点検(カーボンや変形があればNG)
- バルブシートとバルブフェイスの摺り合わせを丁寧に実施
- コンプレッションゲージで圧縮圧力の確認
- 必要であればバルブ交換やシートカットも視野に
DIYでも可能ですが、エンジン内部の作業となるため専門的な工具と知識が求められます。不安な場合はショップに依頼しましょう。
まとめ:バルブ擦り合わせはエンジン性能の基礎
バルブ擦り合わせの不良は、セルを回したときのバックファイヤーや負圧低下など、さまざまな症状を引き起こします。これらはエンジン内部の異常を示す重要なサインです。
症状が出た場合は、圧縮の状態やバルブの密着性を早めにチェックし、必要に応じて再擦り合わせや部品交換を行いましょう。
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