バイク用インカムはツーリング時の便利な通信手段ですが、異なるメーカー同士の接続ではうまくペアリングできないこともあります。この記事では、サインハウス製B+COMとTNICER製G1EXのように、メーカーが異なる場合の接続トラブルの原因と対策、そして最適な選択について解説します。
異なるインカム間の接続に立ちはだかる壁とは
インカムにはBluetoothの通信方式を用いた「ユニバーサルインターコール」という互換性を意識した機能があります。これにより、異なるブランドのインカムでも接続が可能になるとされています。
しかし、実際には接続の安定性や操作手順が異なり、接続が確立できないケースが多く見られます。B+COM(SB4X)とG1EXもこの例に該当し、双方にユニバーサル機能があっても仕様のズレにより正常にペアリングできない可能性があります。
B+COM SB4XとG1EXの特徴と互換性
SB4X(サインハウス)は、日本国内で高い人気を誇るインカムで、音質や操作性に優れ、ユニバーサルインターコールにも対応しています。一方、G1EX(TNICER)は比較的新しい中華系ブランドで、コストパフォーマンスが魅力ですが、ユニバーサル接続においては安定性にばらつきがあります。
互いの接続方式がBluetooth 3.0や4.0でも、ペアリング時のプロファイル(HSP, HFP, A2DP等)の違いや、接続開始のタイミングにズレがあると、リンクが確立しないことがあります。
実際の接続手順でよくある落とし穴
多くのユーザーが試す接続方法は以下の通りです。
- 片方をユニバーサルインターコールモードにする
- もう一方を通常ペアリングモードにする
- または、双方ユニバーサルインターコールで試す
これらを何度試してもつながらない場合、以下のような原因が考えられます。
- ユニバーサル機能が片方の機種に限定的な実装
- ペアリング時間のタイミングが合っていない
- 一方が通話モードでロックされている
特に廉価機種では仕様が公開されていないことも多く、取扱説明書に記載のない制限がかかっている可能性があります。
機種統一のメリットと現実的な選択肢
一番確実な解決策は、インカムのメーカーを揃えることです。そうすることで、操作手順や接続仕様の差をなくし、通信の安定性を大きく向上させることができます。
特にB+COM同士やSENA同士など、同一ブランドで揃えた場合、グループ接続や音楽共有などの機能もスムーズに使える点が大きな利点です。
費用を抑えたい場合の対策方法
どうしても機種を揃えるのが難しい場合は、Bluetoothトランシーバー機能付きのインカムを導入するか、スマホの通話機能を活用したアプリ経由での接続(LINE通話やインカムアプリ)という方法もあります。
また、片方がFM送信モードを備えていれば、片方向の音声共有という簡易手段もあります。ただし、音質や遅延は劣ることが多いため注意が必要です。
まとめ|快適な通信には仕様の一致がカギ
異なるメーカー同士のインカム接続は、理論上可能でも実用性に欠けることが多いため、最終的には同一ブランドでの統一が最も確実な解決策となります。価格だけでなく、操作性やサポート体制も含めて、将来の使用を見据えて機種選びを行いましょう。
バイク仲間とのスムーズな会話のためにも、インカムの相性はしっかり確認したいポイントです。
コメント