レストア後のモンキー(AB27)でエンジンがかからず、プラグに火花が飛ばないというトラブルは珍しくありません。特にメインハーネスを交換した場合、配線の確認が最も重要になります。本記事では、実際のトラブル事例を元に、考えられる原因と解決方法を詳しく解説します。
プラグに火花が飛ばない原因とは?
プラグに火花が飛ばない原因は、大きく分けて3つに分類できます。
- 点火系部品(CDI、イグニッションコイル、プラグなど)の不良
- ハーネスやカプラー接続のミス・断線
- アース不良・塗装による導通不足
レストアや塗装を行った直後の車両では、アース不良が非常に多く見られます。
実例:イグニッションコイルに別電源を繋ぐと火花が飛ぶ場合
質問者のように、イグニッションコイルの+側に別電源を仮接続した際に火花が飛ぶという現象は、純正のハーネス経由で電源が供給されていないことを示唆しています。
この場合、CDIからの信号線(通常は黒/赤や黒/白)が断線していたり、メインスイッチ側でON時の電圧供給がされていない可能性があります。
アースは本当に導通しているか?塗装の影響を見直す
レストア時にフレーム塗装をした場合、アース線が塗装面に当たってしまっていると、導通不良になります。
この場合、導通チェックをマルチメーターで行い、フレームとエンジン間、フレームとマイナス側配線の電気的接続を確認することが重要です。
CDI・キルスイッチ周りの配線確認
CDIは5ピンまたは6ピンタイプがあり、各ピンに正しい信号が来ていないと動作しません。特に注意すべきは「キルスイッチ(エンジンストップスイッチ)」です。
キルスイッチがOFF(接地状態)だとCDIが強制的に点火を止めてしまいます。キルスイッチの配線(黒/白)を外してみて点火するか確認すると良いでしょう。
ヘッドライトが点灯しない点から読み解けること
キック時にヘッドライトが一瞬でも点灯しないという現象は、発電機からのAC電源が出ていない可能性があります。これもCDI動作に関わるため、
- ジェネレーターコイル(フライホイール内)の接続確認
- 断線やショートがないか
を確認してください。
具体的な確認手順チェックリスト
以下のチェックを順番に行ってください。
- アースポイントの導通をマルチメーターで測定
- CDIの各配線(特に電源とキルスイッチ)の確認
- フレームからエンジンにしっかりアースが落ちているか
- ヘッドライトに来る発電電源線の電圧確認
- レギュレーター・レクチファイヤーが正常か
これにより、問題の切り分けが可能になります。
まとめ:火花が飛ばない時は配線とアースから点検を
モンキー(AB27)のようなカスタム可能な車両では、配線変更や塗装が原因での点火不良が起こりやすいです。点火系部品を疑う前に、まずアースと配線の導通確認を徹底することが、解決への近道です。
また、整備マニュアルや回路図を手元に用意し、順を追って確認することがトラブルシュートの成功率を高めるポイントとなります。
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