原付スクーターに後付けタコメーターを複数取り付けたいというケースは少なくありませんが、アナログとデジタルを“一本のパルス線”で動かすと上手く動作しないことがあります。本記事では、その原因・対応策・正しい配線の方法をわかりやすく解説します。
パルス信号ってどういう仕組み?
エンジン回転を反映するパルス信号は、イグニッションコイルなどから出される電気パルスを元にしています。
アナログもデジタルも基本的には同じ信号を参照していますが、内部回路が異なるため負荷や干渉で動作が変わることがあります。
なぜ2本差しすると不具合が起きるのか?
- 信号線に複数接続すると電圧のドロップやノイズ混入が発生
- アナログ側で信号を“少し吸って”しまい、デジタルが反応しづらくなる
- 内部回路が異なるタコメーター同士でノイズ干渉が起きやすい
そのため「どちらか1台だけでは動くが、両方はNG」という現象が起きてしまいます。
解決策① パルス信号を専用に分配する
簡易的にはパルス信号用『スプリッタ』を使い、信号を電気的に分けて干渉を防ぐ方法があります。
例えば、自作でトランジスタバッファ付きの分配回路を作るか、市販の信号分配器(バッファ付き)を使うと安定動作が期待できます。
解決策② アンプやバッファ回路の導入
両方を動かすには、パルス信号を一度整形して再出力する“バッファ+アンプ”が有効です。
具体例:LM358などのオペアンプ+NPNトランジスタで簡易バッファを構築し、出力を2系統に分けます。これなら両方の信号負荷を吸収できます。
DIY実装の流れ
- パルス信号を入力
- オペアンプで波形整形(矩形波に近づける)
- トランジスタで信号を2系統に分配
- 各タコメーターに出力
この方法だとノイズにも強く、安定して動作させられます。
それでも難しい場合の代替案
・1台ずつ交代で使う、・専用タコメーターだけ付ける、・デジタル一体型メーターへの交換などの方法もあります。
最初から両方同時に使う目的がある場合、やはり信号バッファ化が最も確実です。
まとめ
一本のパルス線からタコメーターを複数動かす場合、ただ並列接続では信号劣化やノイズ干渉が起きやすく、動作が安定しません。対策としては、バッファ付き分配回路を挟むか、アンプ+オペアンプ回路を作って信号を整える方法が最も効果的です。
電子工作に自信があれば自作も可能ですが、市販のバッファ付き分配器を活用すると失敗リスクが減り、確実に両方のタコメーターを動かせます。
コメント