25年以上同じ車・バイクを使い続けることは本当にすごいのか？長寿命マシンの価値とその背景

通勤や日常の足として、同じ車やバイク、スクーターを25年〜30年以上使い続けることは、現代の日本ではどれほど珍しいことなのでしょうか。この記事では、長年にわたって一台のマシンを乗り続けることの価値や背景、そして実際にそれを達成した人々のエピソードをもとに、そのすごさを探っていきます。

平均使用年数と比較してみるとわかる「すごさ」

一般的に、日本の乗用車の平均使用年数は約13年程度、バイクやスクーターは7〜10年ほどと言われています。これは整備や車検、経年劣化による部品交換などのコストも考慮された、実際的な数字です。

つまり、25年以上も同じ車やバイクを使い続けるというのは、単純に平均の2〜3倍以上の年数にあたるわけで、それ自体がすでにかなり珍しいケースといえます。

一台のマシンを長く乗り続けるためには、定期的なオイル交換や消耗品の管理はもちろんのこと、部品の入手困難や経年による腐食・劣化といった問題にも向き合わなければなりません。メーカーが部品の供給を終了しているケースも多く、時には中古パーツを探し回るなどの工夫が求められます。

長期使用を実現している人の多くは、単なる実用性ではなく「愛車への愛着」や「機械を大切にする姿勢」が強く反映されていることが多いです。

たとえば、1990年代に購入したホンダ・スーパーカブを今も現役で通勤に使っている方の事例では、定期点検を欠かさず、距離計はすでに10万kmを超えているとのこと。「壊れないから買い替える理由がない」と語ります。

また、1995年式のトヨタ・カローラを乗り続けている人は、車検ごとに徹底的に整備し、特に錆対策を施してきた結果、今でも塗装は綺麗なまま。エアコンや電装系も問題なく動いているそうです。

長く同じ車やバイクに乗ることは、買い替えに伴う出費を抑えるという意味で非常に経済的です。特にローンやリース契約を避けたい人にとっては大きな利点となります。また、製造や廃棄にかかる環境負荷を抑えることにもつながり、エコの観点からも評価される行動といえるでしょう。

ただし、古くなるほど燃費が悪化する傾向や排ガス規制の問題もあり、「長く乗れば無条件で環境に良い」とは一概に言えません。

日本では「物を大切にする精神」が根付いており、丁寧に扱えば20年以上使用することも可能です。特に、1990〜2000年代の車やバイクは「質実剛健」と評され、耐久性に優れたモデルも多く存在しました。

また、バイクや旧車に関しては「旧車ブーム」として再注目されており、古い車両をあえて維持し続ける人も増えています。

結論として、25年〜30年もの間、毎日通勤などに使用して一台の車やバイクを乗り続けるのは、平均的な使用年数と比較しても非常に稀で、機械への深い理解と愛情がなければ成しえない偉業です。

それは単なる耐久性の証明にとどまらず、「使い捨てない」「大切にする」という価値観の体現でもあり、もっと評価されるべき素晴らしいことなのです。