2ストロークの名車として名高いNSR250R(MC18型 88年式)は、いまだに多くのファンに愛され続けています。しかし、経年劣化と共に避けて通れないのが「センターシール抜け」。この記事では、センターシール抜けが発生した際の症状や修理費用の目安、再発防止のためのアドバイスまで詳しく解説します。
センターシール抜けとは?
センターシールとは、2ストエンジンのクランクシャフト中央にあるシール部で、左右のクランク室を分ける役割を果たします。このシールが抜ける(機能しなくなる)と、混合気が左右に漏れたり圧縮が維持できなくなったりするため、エンジンの調子が大きく崩れます。
具体的な症状には以下が見られます。
- アイドリングが不安定
- 片肺状態になる
- プラグが片方だけかぶる
- 排気から白煙が多く出る
- キャブセッティングが安定しない
修理費用の相場
センターシール抜けはクランクシャフトのオーバーホールが必要になるため、エンジンを完全に下ろして分解整備する大掛かりな作業となります。
修理費用はおおよそ以下の通りです。
内容 | 金額の目安 |
---|---|
クランクシャフトOH工賃 | 30,000〜60,000円 |
パーツ代(シール類・ベアリング等) | 20,000〜40,000円 |
ガスケット・オイル・その他 | 10,000〜20,000円 |
合計 | 60,000〜120,000円 |
エンジンの状態や作業内容によって金額に差がありますが、信頼できるショップに依頼することが大切です。
修理を依頼する際の注意点
NSRのような2ストローク旧車は、エンジンの分解・組立に熟練の知識と経験が必要です。依頼するショップは、過去にNSR250Rのオーバーホール実績があるかどうかを必ず確認しましょう。
また、ショップによっては純正部品の入手性や工期にも差が出るため、「純正パーツ在庫があるか」、「納期の目安」も問い合わせておくと安心です。
DIY修理は可能か?
エンジンを完全に下ろし、クランクを割る必要があるため、DIYでのセンターシール修理は中級者〜上級者向けの作業です。専用の工具やサービスマニュアルが必須で、ミスをすると再発や深刻なダメージを招くおそれもあります。
過去に2ストエンジンのOH経験がある方を除き、ショップへの依頼が推奨されます。
修理ついでに検討したい追加作業
エンジンを開けるついでに、以下の部品も同時交換すると今後のトラブル防止になります。
- ピストン・リング
- シリンダーガスケット
- クラッチプレート
- 各オイルシール・Oリング
これらを含めると費用はさらに数万円上がることもありますが、長く快調に乗るためには価値ある投資です。
まとめ:NSR250Rの維持には覚悟と計画が必要
センターシール抜けはNSR250Rでは避けられないトラブルの一つですが、しっかり修理すれば再び力強い走りを取り戻せます。工賃や部品代を含めて約10万円前後が目安となりますが、車体のコンディションや信頼できるショップを選ぶことが成功の鍵となります。
旧車との付き合いは、トラブルさえも楽しめる「愛情」と「覚悟」が求められます。正しい修理で、NSR250Rの本来の魅力を再び堪能してください。
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