マフラーのリアピース(タイコ部分)を外すだけで「直管」と言えるのか?という疑問は、車・バイクのカスタム初心者によくあるものです。この記事では、直管の定義やリアピースの役割、外した場合の法的リスクや音量基準まで詳しく解説します。
「直管マフラー」とは?明確な定義
直管(ちょっかん)とは、本来はサイレンサーや消音機構を一切持たないマフラー構成を指します。エキマニからエンドまで遮音装置がなく、排気がそのまま外へ放出される構造です。
そのため「直管=爆音」というイメージが一般的で、サーキット用やドラッグレース仕様など、完全競技向けの仕様であることが多いです。
リアピースを外した状態は直管なのか?
リアピースだけを外し、中間パイプやフロントパイプにサイレンサーや触媒が残っている場合、その状態は厳密には『直管』ではないとされます。
ただし、最も大きな消音装置であるリアマフラー(タイコ)を取り外すと、排気音は一気に増大し、見た目や音から「直管仕様」と誤解されることもあります。
具体例:どのような状態が直管か
- フルエキ直管:エキマニ~テールまでサイレンサーゼロ → 完全な直管
- 中間以降が空洞パイプ → 擬似直管・レーシング仕様
- リアピースのみ外し → 見た目は直管風、でも実際には“直管未満”
このように、リアピースを外しただけでは「本来の直管」とは異なりますが、社会的には「直管扱い」されやすく、騒音・違法改造として取締り対象になる可能性もあります。
音量基準と道路交通法の注意点
車検対応の音量基準は、平成22年規制では加速騒音74dB以下(原付は73dB)などが定められており、直管仕様は確実にこれを超えます。リアピースを外しただけでも90~100dB超になる車両もあります。
道路交通法・道路運送車両法の観点から、「消音器の機能を損なう改造」は違法であり、整備不良で違反切符を切られる可能性があります。
リアピースを外すメリット・デメリット
メリット:排気効率向上や音の迫力アップ、DIYカスタムの手軽さ。
デメリット:爆音で近所迷惑、燃調ズレによるトラブル、違法改造としてのリスク、エンジンや触媒の劣化促進など。
合法的なカスタムの選択肢
合法的に排気音やレスポンスを変えたいなら、JASMA認定や車検対応マフラーを選ぶのがベスト。HKS、柿本改、フジツボなどから多くの製品が出ています。
リアピース交換式の社外マフラーでも、消音構造が備わっていれば合法的にドレスアップ・音質変化を楽しめます。
まとめ
リアピースを外しただけでは厳密な意味での「直管」とは言えませんが、消音器を取り除いた改造として社会的・法的には「直管仕様」と見なされるリスクがあります。
排気音の変更や見た目の変化を求めるなら、必ず法規に準拠した方法を選び、安全・合法にカスタムを楽しみましょう。
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