ホンダのフラッグシップセダンとして名を馳せた「レジェンド」。中でもV6 2.0Lエンジンを搭載していた時代のモデルは、今振り返っても特筆すべき存在です。本記事では、そのエンジン仕様が当時いかに贅沢で、現在と比べてどれほど特異だったのかを詳しく見ていきます。
ホンダ・レジェンド V6 2.0Lの誕生背景とは
ホンダ・レジェンドは1985年に登場。バブル経済直前ということもあり、各メーカーが高級車市場へ挑戦していた時代でした。
V6 2.0Lモデルは、当時の日本国内で存在した「2.0L超=自動車税が高額になる」という制限を回避するために生まれたもので、性能と税制のバランスを取った仕様として注目されました。
V6エンジン搭載で2.0Lという贅沢構成
通常、V6エンジンは排気量が大きくなる傾向にあり、2.5L〜3.5L程度が主流。しかしレジェンドでは、「静粛性・振動の少なさ・上質な走行性能」を追求し、あえて2.0Lに抑えたV6が開発されました。
同時期の多くの国産車が直列4気筒を採用していた中、V6はまさに高級の象徴。税制上の制限に妥協せず、エンジンの質感で勝負するという姿勢が、ホンダの技術力と哲学を表しています。
現代の基準で見たときの贅沢さとは?
現代では、2.0Lクラスのエンジンにはダウンサイジングターボが一般化し、直列3気筒や4気筒が主流。V6エンジンそのものがハイエンドモデルやスポーツカーに限定される希少な存在です。
加えて、排ガス規制や燃費規制の厳格化により、大排気量エンジンはコスト面でも開発のハードルが高くなっています。V6 2.0Lは、現在ではほとんど見られない構成です。
2.0L V6レジェンドの実例とユーザーの声
実際にV6 2.0L搭載レジェンドを所有していたオーナーからは、「滑らかな加速感」「エンジンの美しい音」「高級車としての質感」に高い評価が寄せられています。
一方で、「燃費は良くない」「維持費がかかる」といった声もありましたが、それ以上に「所有する満足感」「当時のホンダの挑戦を感じる」など、評価は非常に高いものでした。
なぜ現在はこのようなエンジンが存在しないのか
主な理由は以下の3つです。
- 環境規制強化により、燃費や排ガス性能が重視されるようになった
- 税制が排気量に基づくものから、環境性能中心へと移行している
- 製造コストの高いV6よりも、直列エンジン+ターボの方が量産に向いている
こうした背景により、V6 2.0Lのような「技術的チャレンジ」は市場から徐々に姿を消していきました。
まとめ:V6 2.0Lレジェンドは「税制と贅沢のせめぎ合い」が生んだ奇跡の1台
ホンダ・レジェンドのV6 2.0Lエンジンは、時代背景とメーカーの技術力が生んだ「技術の贅沢」の象徴です。
現代では二度と実現しないであろう仕様であり、車好きにとってはまさに名車と呼べる存在。スペックだけでは語り切れない「志」が詰まったモデルと言えるでしょう。
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