スズキのワゴンRをはじめとするキーレスエントリー車で、キーケースの劣化により中身が落ちたり紛失したりした経験は意外と多いものです。今回は、キーレスの中身が取れてしまったときの影響や、エンジンがかからなくなる理由、そしてディーラーから「ボタンを押さないでください」と言われる理由について詳しく解説します。
キーレス内部のチップはセキュリティ認証の鍵
スズキのワゴンRなどでは、キーレスキーの中にイモビライザー用のトランスポンダチップが内蔵されており、これがエンジンをかける際の認証に使われます。このチップが車に認識されない状態では、物理キーでセルが回ってもエンジンが始動しない仕組みです。
今回のケースのように、キーの中身が抜けてしまうと、そのチップが車側で認識されなくなり、結果的にセキュリティ警告音が鳴ったり、エンジンがかからない事態になります。
キーの中身が見つかった場合、それは再利用できる?
基本的に中身(基板やトランスポンダ)が破損しておらず、正しく組み直せば再利用できる可能性があります。しかし、ディーラーは内部の電子部品が一部でも損傷していた場合の安全性や誤作動リスクを懸念し、新品の鍵作成を提案することが多いです。
再利用する際には、必ず基板の損傷やチップの脱落がないかをチェックし、元の状態に確実に戻す必要があります。
ディーラーが「ボタンを押さないでください」と言う理由
基板が仮固定された状態や、内部の組み付けが不安定な状態でボタンを押すと、誤作動やショートを引き起こすリスクがあります。また、ドアロックの信号が意図せず飛び、車両側がセキュリティアラームを作動させる可能性もあります。
特に、破損状態のキーを使ってリモコン操作をすると、エラー信号が記録されることもあるため、ディーラーでは安全性を最優先し「ボタンは押さないように」と指示するのです。
一時的な応急処置としての「テープ固定」
一時的に中身をキーシェルに戻してテープで固定するという方法は、見た目は不格好でもチップが認識されればエンジン始動は可能です。ただし、強い振動や落下により再び内部が外れ、突然エンジンがかからなくなるリスクはつきまといます。
このような応急処置はあくまで「一時しのぎ」であり、なるべく早めに新しいキーを作ることをおすすめします。
キーレスキーの作成と費用の目安
ディーラーでキーレスを新規作成する場合、費用はおおよそ15,000〜30,000円程度が相場です。車種や年式、イモビライザーの有無によって価格が異なるため、見積もりは必須です。
一部の鍵屋でも再登録や複製が可能な場合もありますが、正規のセキュリティ認証が保証されないことがあるため、安全性を重視するならディーラー対応が無難です。
まとめ:キーレスのトラブルは安全対策と早めの対応がカギ
キーレスキーの中身が取れてしまった場合でも、落ち着いて中身を確保し、元の状態に戻せばエンジン始動は可能になることがあります。ただし、内部破損のリスクや誤作動を避けるためには、ディーラーの指示に従って適切に修理・交換を行うことが重要です。
テープで仮固定するなどの応急処置は可能ですが、最終的には新しいキーレスキーの作成を検討しましょう。安全で確実なカーライフのためにも、鍵の管理と早期対応が大切です。
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