エンジンは始動するのに、走行中にエンストや失火を起こす―そんな症状に悩むカワサキ四気筒ユーザーの方へ。この記事では、イグニッションコイルの不具合の見極め方と、抵抗値による診断の方法について詳しく解説します。
目視では正常でも不具合が出るケースはある
イグニッションコイルの不良は、アイドリング中は問題なく見えても、実走行時に症状が出ることがあります。
これは、高回転時や負荷がかかったときに電圧要求が増すため、コイル内部の絶縁劣化や断線しかけている部分が顕在化するためです。
実際に起こる不具合の例
・低回転では問題ないが、アクセルを開けると失火してガクつく
・一定の回転数以上でエンスト
・始動性やアイドリングに変化はない
これらは「目視では火花が確認できても、負荷時に点火性能が落ちている」ことを示す典型例です。
ゼファーなどカワサキ車のコイル抵抗値の目安
ゼファー400や750をはじめとする空冷カワサキ車では、以下が正常範囲の目安です。
測定部 | 正常抵抗値 |
---|---|
一次側(プライマリー) | 約2.2Ω〜3.0Ω |
二次側(セカンダリー) | 約12kΩ〜18kΩ(プラグキャップを含めて測定) |
デジタルマルチメーターで測定し、数値が範囲外(特に高すぎる・無限大)の場合は内部断線や絶縁不良の疑いがあります。
点火系トラブルを疑う際の診断手順
- ① イグニッションコイルの抵抗値を測定
- ② プラグコード・キャップ・プラグ自体の劣化も確認
- ③ CDIやICイグナイターの可能性も念頭に
特に古いカワサキ車では、熱を持つと症状が出る「熱膨張による接触不良」もよくあります。走行中のみに症状が出る場合はこの可能性が高いです。
実例:ゼファーでの事例紹介
あるゼファー750乗りは、「エンジンは元気にかかるのに、ツーリング先で突然失火。点火系を疑い調べたら、片方のコイルの二次側が18kΩを超えていた」との事例を報告しています。
別の例では、1次側の抵抗が0Ωに近くなっており、出先で走行不能になったというケースも。いずれも走行負荷時の症状で発覚しました。
まとめ
イグニッションコイルは見た目やアイドリング中の火花では異常が判断しにくく、実走行での負荷状態で症状が現れることが多い部品です。
ゼファーなどのカワサキ車では、一次側2〜3Ω・二次側12〜18kΩが目安。症状に心当たりがある場合は、テスターを用いて数値をチェックし、早めの交換・対策を行いましょう。
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