スポーツバイクやSS(スーパースポーツ)モデルに自作のアイラインを取り付けたいというカスタム志向のライダーは少なくありません。しかし、見た目重視のカスタムであっても、保安基準を満たさなければ車検に通らないばかりか、道路交通法違反になる可能性も。本記事では、ヘッドライトの自作アイラインに関する法的な注意点や、実際に通る/通らないカスタムの違いを詳しく解説します。
そもそも「アイライン」とは?
バイクや車の「アイライン」とは、ヘッドライトの上部や周辺に取り付けられる装飾的なパーツで、目元を強調するような見た目を演出するものです。車の場合は純正や社外製で多く流通していますが、バイクは特にSS系モデルに多く、自作する人も増えています。
形状は塗装やカッティングシート、FRP、アクリル板などを加工して作られることが多く、LED付きのタイプも一部存在します。
保安基準に違反しないための条件とは
自作アイラインが合法かどうかを判断するためには、道路運送車両の保安基準を満たしているかが重要なポイントになります。以下の点を守る必要があります。
- 灯火類の光量・照射範囲を妨げない(光軸検査で通らない可能性あり)
- ヘッドライトの色が変わらない(透明パーツでも変色リスクあり)
- 突起物がない(歩行者保護基準)
- 灯火類を誤認させる発光物がない
つまり、アイラインがヘッドライトの照射に影響を与えたり、視認性を損ねたりする場合はNGとされる可能性が高いということです。
車検に通らないケースの具体例
以下のようなアイラインカスタムは、実際に車検で不適合と判断されることがあります:
- ヘッドライト上に濃いスモーク系のカバーを被せている
- 光軸に被る位置に黒や不透明な素材のアイラインを装着
- LEDテープを光源として使用しており、車幅灯やウィンカーと誤認される
- 両面テープで不安定に固定され、落下や突出の恐れがある
一方で、透明アクリルで光に干渉しない範囲に収めたり、塗装で視界外のラインに描く程度なら問題ないとされることが多いです。
合法カスタムにするためのポイント
自作アイラインを取り付けたい場合、以下の点を意識すれば違反のリスクを避けやすくなります。
- 光軸中心に被せない:プロジェクター式なら特に注意
- 透明または半透明素材を使用し、光の色を変えない
- しっかりと固定し、突出しないように加工
- LEDなど発光する部品は使わない(法規制が複雑)
また、ナスバ(自動車技術総合機構)などで構造変更や継続検査に関する情報を確認しておくとより安心です。
実例紹介:合法アイラインカスタムの工夫
たとえば、CBR250RRのユーザーがカーボン調シートを用いて、ヘッドライトのリフレクター部に被らない位置だけにアイラインを作成したケースでは、光量・照射範囲にも問題がなく、ユーザー車検にも無事通過しています。
逆に、ZX-6Rで厚めのアクリルアイラインを貼り付けた例では、ロービームの光軸がずれてしまい、再検査対象となったという報告もあります。
まとめ:見た目と合法性のバランスを取ることが大切
バイクの自作アイラインは手軽に個性を出せるカスタムですが、保安基準や車検対応を意識していないと違反や整備不良扱いになる恐れがあります。重要なのは「照射性能に影響を与えないこと」「突出せず安全な構造にすること」の2点です。
法令を守りながら、愛車のデザインを楽しむ工夫をしていきましょう。
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