FI(フューエルインジェクション)警告ランプが走行中に頻繁に点灯し、アイドリングが不安定になる症状は、ホンダCB1300SF(SC54)オーナーの間でも報告されることがあるトラブルです。レギュレーターの故障は確かに定番ですが、それだけで解決しない場合、他の要因も疑う必要があります。この記事では、FIランプの点灯とアイドリング不調の原因として考えられる項目を段階的に解説します。
よくある原因①:スロットルポジションセンサー(TPS)の異常
CB1300SFは電子制御スロットルではありませんが、FI制御のためにスロットルポジションセンサー(TPS)を備えています。このセンサーが劣化すると、スロットル開度を正確にECUへ伝えられず、アイドリングの乱れやワンテンポ遅れた加速感を引き起こします。
TPSの出力値はサービスマニュアルに記載された数値で確認可能です。デジタルマルチメーターを使って抵抗値または電圧の変化をチェックしましょう。
よくある原因②:O2センサーの劣化や断線
排気ガス中の酸素濃度を検知するO2センサーは、燃調補正に大きく関与します。経年劣化や配線不良で正しく動作しなくなると、空燃比の調整がズレて燃焼状態が不安定になり、FIランプが点灯することもあります。
エラーコードでP0130(O2センサー不良)などが検出されていれば、O2センサーの交換を検討すべきです。
よくある原因③:インジェクターやスロットルボディの汚れ
長期間清掃されていないインジェクターやスロットルボディの汚れも、アイドリング不調の原因になります。特にアイドルポートがカーボンで詰まっていると、スロットル閉時のエアフローが不安定になり、回転数が落ち込むことがあります。
インジェクタークリーナーの使用や、スロットルボディの洗浄を行うと改善するケースがあります。
よくある原因④:バッテリー電圧と配線の電圧降下
レギュレーターを交換しても、バッテリー本体の劣化やハーネスの接触不良が残っている場合、電圧不足によりECUが誤動作する可能性があります。
エンジン始動前・アイドリング時・高回転時の電圧をチェックし、12V以上〜14.5V程度で安定しているかを確認しましょう。特にFI点灯中に電圧が大きく上下する場合は、配線の腐食や接点不良も疑うべきです。
症状が改善しないときは診断機でのコード確認が有効
CB1300SFは自己診断機能を備えており、OBD的なエラーコードを表示することができます。メーターのFI点滅回数を読み取り、エラーコードを照合することで、部品交換の優先順位を明確にできます。
簡易的な診断機やサービスマニュアルを活用し、点検を効率化しましょう。なお、ディーラーやバイクショップに持ち込めば、正式な診断も可能です。
まとめ:原因は複合的、1つずつ確実にチェックを
CB1300SFでFIランプが点灯し、アイドリング不調や加速の鈍さがある場合は、レギュレーター交換だけでは不十分なことも多いです。TPSやO2センサー、燃料噴射系、電装の電圧管理など、多角的に確認しながら進めることがトラブル解決の近道です。DIYで難しい場合は、ショップでの診断も併用しながら原因を突き止めましょう。
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