ブレーキ整備の中でもエア抜きは、ブレーキペダルの感触や安全性に大きく関わる重要な作業です。ブレーキフルード交換やキャリパー作業後にペダルがスポンジーになった場合、配管内に混入した空気を取り除く必要があります。
エア抜きは単純にブレーキを踏んでバルブを開閉すればよいというものではなく、手順を間違えると逆に空気が入り込んだり、十分にエアが抜けなかったりすることがあります。この記事では、一般的なブレーキエア抜きの流れや注意点について解説します。
ブレーキエア抜きが必要になる理由
ブレーキシステムは、ブレーキペダルを踏んだ力をブレーキフルードによって各車輪へ伝える仕組みになっています。しかし、配管内に空気が混入すると、液体ではなく空気が圧縮されるため、ペダルを踏んでも力が十分に伝わらなくなります。
この状態になると、ブレーキペダルが柔らかく感じたり、何度も踏み込まないと効かないような感覚になったりします。
例えばブレーキホース交換やキャリパー脱着を行った後は、作業中に空気が入りやすいため、エア抜き作業が必要になります。
一般的なブレーキエア抜きの基本手順
ブレーキエア抜きは、通常は2人で行う方法が一般的です。1人がブレーキペダルを操作し、もう1人がブリーダープラグを開閉します。
- リザーバータンクのブレーキフルード量を確認する
- ブリーダープラグにホースを接続する
- ブレーキペダルを数回踏んで圧力をかける
- ペダルを踏み込んだ状態でブリーダープラグを開ける
- フルードと空気が排出されたらブリーダープラグを閉める
- ペダルを戻して再び同じ作業を繰り返す
重要なのは、ブリーダープラグを開ける時はブレーキペダルを踏んだ状態、閉めてからペダルを戻すという順番です。
ブリーダープラグが開いた状態でペダルを戻すと、キャリパー側から空気を吸い込む可能性があります。
質問されることが多いエア抜き手順の間違いやすいポイント
ブレーキペダルを踏む、バルブを開ける、閉めるという流れ自体は基本的な考え方として間違っていません。しかし、細かな順番が重要になります。
例えば「バルブを開けた状態でブレーキを踏む」という方法では、フルードと一緒に空気を押し出せる場合もありますが、車種や状況によっては効率が悪かったり、作業者の操作によって空気が戻る可能性があります。
一般的には「踏む→保持→開ける→排出→閉める→戻す」という流れを守ることで、安定してエアを抜くことができます。
エア抜き作業で確認すべきポイント
作業中はリザーバータンク内のブレーキフルード量を常に確認する必要があります。フルードが減りすぎてタンクが空になると、マスターシリンダー側から新たに空気を吸い込んでしまいます。
また、排出されるフルードの中に気泡がなくなっただけではなく、ブレーキペダルの踏み応えも確認することが重要です。
例えば、気泡が見えなくなっていてもペダルが奥まで沈む場合は、まだ空気が残っている可能性があります。
エア抜きする順番にも注意が必要
多くの車では、マスターシリンダーから遠い位置にあるブレーキから順番にエア抜きを行います。ただし、車種によって推奨される順番は異なる場合があります。
一般的には右後輪、左後輪、右前輪、左前輪のような順番が使われることがありますが、必ず車両の整備情報を確認することが大切です。
特にABS付き車両では、通常のエア抜きだけでは内部に残った空気を完全に抜けない場合もあります。
ブレーキエア抜きで使うと便利な道具
ブレーキエア抜きは2人作業が基本ですが、ワンウェイバルブ付きホースや負圧式ブレーキブリーダーを使用すると、1人でも作業しやすくなります。
| 道具 | 特徴 |
|---|---|
| 透明ホース | 気泡の確認がしやすい |
| ワンウェイバルブ | 空気の逆流を防ぎやすい |
| ブレーキブリーダー | 1人作業が可能になる |
ただし、道具を使っても基本的な手順が間違っていると十分な効果は得られません。
まとめ|ブレーキエア抜きは順番とタイミングが重要
ブレーキエア抜きは「ブレーキを踏む」「ブリーダープラグを開ける」「フルードを排出する」「閉めてからペダルを戻す」という流れを正しく繰り返すことが基本です。
特に、ブリーダープラグを開けたままペダルを戻さないこと、リザーバータンクを空にしないことが重要なポイントです。
ブレーキは安全に直結する重要部品のため、作業後は必ずペダルの感触や漏れの有無を確認し、不安がある場合は整備工場で点検を受けることをおすすめします。


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