スズキ・グラストラッカー無印にビッグボーイのスイングアームを流用するカスタムは、スタイルの向上だけでなく走行性能にも影響を与える人気のカスタム手法のひとつです。この記事では、その際に使用するチェーン長として「520-116L」が適切かどうかを中心に詳しく解説します。
グラストラッカーとビッグボーイの違いを理解する
グラストラッカー無印とビッグボーイの最大の違いの一つがスイングアーム長です。ビッグボーイはより長いスイングアームを備え、ホイールベースも延長されています。
無印:ホイールベース 1,370mm
ビッグボーイ:ホイールベース 1,430mm
この60mmの差は、チェーンの長さにも直接影響します。
チェーンサイズ「520-116L」は装着可能か
純正チェーンリンク数は以下の通りです。
- グラストラッカー無印:102L(前後スプロケ標準)
- ビッグボーイ:106L〜108Lが一般的
ビッグボーイのスイングアームを装着することで、チェーンが張りきれなくなるため、+8〜10リンク以上の延長が必要になります。したがって、520-116Lのチェーンは長さとして十分装着可能であり、むしろ余裕をもって調整しやすい選択肢と言えます。
ただし、スプロケットの丁数(特にリア)やタイヤサイズ、チェーンスライダーの有無などでも最適なリンク数は微妙に変わるため、実車合わせでの微調整が最も重要です。
余裕がある場合はカットして調整しよう
チェーンが長すぎた場合は、チェーンカッターを使って適切な長さにカットしましょう。
適切な張りは、スイングアーム中央部で30〜40mm程度の遊びが目安です。
あまりに長すぎるとチェーンテンショナーで張りきれなくなるため、116Lを選ぶ際はカット前提であることを想定しておくのが賢明です。
スプロケットの丁数変更時の注意点
前後スプロケットの丁数を変更することで、チェーン長の要件も変化します。たとえば、リアを2T増やせば1リンク程度の延長が必要になります。
そのため、チェーン選びの際は、スプロケの丁数とのバランスを取ったうえで最終判断をしましょう。余裕があれば120Lチェーンを購入し、調整後に使用するのも一つの手です。
チェーン交換時のポイントと工具類
- チェーンカッター&カシメ工具は必須
- Oリング付きチェーンを選ぶことで耐久性アップ
- チェーンラインのズレがないようスプロケと平行を確認
また、装着後は100〜200km程度走行した後にチェーンの初期伸びをチェックし、必要に応じて再調整を行ってください。
まとめ:520-116Lチェーンは「使えるが調整前提」
グラストラッカー無印にビッグボーイ用スイングアームを取り付けた場合、520-116Lのチェーンは適合する可能性が高いですが、実際のセッティングに応じて数リンクのカットが必要となる場合もあります。
カスタムバイクは一台一台仕様が異なるため、「必ず○○Lが最適」という固定の答えはありません。最終的には実測と試行錯誤を繰り返すことが、最適な仕上がりへとつながります。
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