リモコンジョグ5KN2の火花トラブルを徹底解析:セルで火花が出ない原因と対処法

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リモコンジョグ(5KN2)の点火系トラブルは、セルでは火花が出ずキックでのみ数回火花が飛ぶという独特な症状が見られることがあります。このような不調はCDIやバッテリーだけでなく、他の電装部品や配線の状態にも原因が潜んでいることが多く、原因特定が難航することも少なくありません。本記事では、症状の特徴をもとに考えられる原因とその対策を順を追って解説していきます。

リモコンジョグ特有の点火系構造の理解

5KN2型ジョグはCDI点火方式を採用しており、セルおよびキックスタートのどちらからでも点火信号が供給される構造となっています。CDI、イグニッションコイル、ステーターコイル、ピックアップコイルなどが連動してスパークプラグに火花を飛ばします。

この構造を理解しておくことで、どの系統に問題があるのかを切り分けしやすくなります。特にバッテリーやセル使用時のみ火花が出ない場合は、キックとセルで回路構成が微妙に異なる点に着目すべきです。

よくある症状とその考察

キックで火花が3回ほど飛び、数秒置いて再び3回出るという症状は、ステーターコイルやピックアップコイルの発電容量不足や磁気検出の不安定さを疑うポイントです。また、CDIが新品でなく中古の場合、内部不良や経年劣化の影響が残っていることも考えられます。

バッテリー接続時に火花が出ない点から、セルスタート時の通電経路でレギュレータやスターターボタン配線系統の電圧ドロップ、もしくはアースの不良も疑う必要があります。

ステーターコイルとピックアップコイルのチェック

マルチメーターを使用してステーターコイルの抵抗値(おおよそ200〜500Ω)とピックアップコイル(約100〜150Ω)の値をチェックしましょう。規定値を大きく逸脱している場合、コイルの発電性能が低下しており点火不良につながります。

また、ピックアップコイルの信号がCDIに正しく伝わらない場合も火花が飛びませんので、CDIカプラー部の接触不良や断線も要確認です。

レギュレーター・レクチファイヤの関与

点火に直接関係していないように思われがちですが、実はバッテリー電圧の安定供給やアース系統の処理においてレギュレーターの不良も影響する場合があります。

特にセル時に電圧が安定しない場合、逆流や電圧過大によってCDIやコイル側が保護動作して点火しない可能性も否定できません。

セル時点火不良の回避策とチェックポイント

  • イグニッションスイッチ接点の導通チェック
  • アースポイントの清掃と増設
  • CDIカプラー端子のピン圧や腐食確認
  • イグニッションコイルの抵抗測定と交換試験
  • レギュレーターを一時的にバイパスして確認

上記を一つずつ試すことで、火花が安定して出るかを見極められます。

交換よりも先に「配線チェック」

意外と見落としがちなのが、コネクター部の腐食や半断線、またエンジンハーネスの割れなどです。CDIやイグニッションコイルの交換に踏み切る前に、しっかりと配線の導通・断線・アースの状態を確認しましょう。

とくにステーターコイルからCDIへの配線が摩耗・断線していると、キックで偶然火花が出ることがあってもセル時には出ない、といった不安定な状態が起こりえます。

まとめ:原因は一つに絞らず総合的に点検を

リモコンジョグ5KN2でセル時のみ点火しない症状には、CDIやバッテリー以外にも多くの要素が絡んでいます。ステーターやピックアップコイル、アース、レギュレーター、配線接点などを一つずつ丁寧に点検し、原因を特定していくことが確実な復旧への近道です。

もし診断に不安がある場合は、信頼できるバイクショップでの点検依頼も視野に入れるとよいでしょう。

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