バイクや車のブレーキ性能にこだわる人々の間で、ブレンボキャリパーは圧倒的な信頼を得ています。中でも4POT 40mm 30/34のモデルは人気ですが、「キャスト」と「CNC」ではどこが違い、共通部品はどこまでなのかは意外と知られていません。
キャスト製とCNC製の違いとは?
キャスト製とは鋳造で作られたもので、比較的安価で製造されます。対してCNC製はアルミブロックを削り出して成形された高精度モデルで、精密さと剛性が特徴です。
外観や仕上がりに差が出るため、ハードブレーキングやサーキット用途ではCNCの方が選ばれやすい傾向にあります。
内部構造の共通点:ピストンとシールは同じ?
多くのブレンボ製キャリパーでは、同じモデル名・仕様(例えば4POT 40mm 30/34)であれば内部のピストンサイズやシール類は共通になっていることが一般的です。
ただし注意すべきは、製造ロットやシリーズによって微妙な仕様変更があること。純正部品として注文する場合は、キャリパーのロゴや裏面の刻印ナンバーを確認しておくのが確実です。
ピストンサイズと材質のポイント
30mmと34mmという異径ピストンを採用したこのモデルは、初期タッチと制動力のバランスが優れています。ピストン自体はアルミ製が一般的ですが、一部の高価格モデルではチタンピストンが使われることもあります。
材質が異なると熱伝導率や膨張率が変わるため、極端な使い方をする方は材質にも注目するとよいでしょう。
シール類の交換と注意点
キャリパーのオーバーホールでは、シールキットの適合が非常に重要です。キャストもCNCもベースが同じであればシールも共通の可能性が高いですが、一部のモデルではピストンの深さやリップ形状に違いがあるため、必ずパーツリストでの確認をおすすめします。
ディーラーや専門ショップで「キャリパー品番」を伝えて注文することで間違いを防げます。
実際の整備現場での見解
あるバイクショップ整備士の話では、「キャストもCNCも内部パーツは基本共通。ただし細部の設計が違って、フィッティングが甘くなるケースもある」とのこと。ピストンのエッジや溝の深さなどが微妙に違うことが、オイル漏れや異音の原因になることもあります。
こうしたリスクを避けるには、完全互換であると確認されたパーツを使うか、信頼の置ける専門店に作業を依頼しましょう。
まとめ:見た目だけでなく構造の違いも理解しよう
ブレンボキャリパーのキャストとCNCの違いは外観や価格だけでなく、製造精度や微細な構造にも現れます。ピストンやシール類は共通であることが多いものの、完全に一致するとは限らない点に注意が必要です。
性能やメンテナンス性を重視するなら、キャリパーの仕様を正確に把握し、必要に応じて専門家に相談するのが安心です。
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